アヴェスターにはこう書いている?
本を読んでいて気になったことなどを徒然なるままにメモしておくブログ。書評というより「読書メモ」。
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「ツァラトゥストラはこう言っている?」の姉妹編。日々読んでいる本から気になった箇所をピックアップして自由にコメントするブログ。

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J.S.ミル 『大学教育について』

再び、ホエートリ大主教の言葉を拝借するならば、「慣れ親しんでいることを正確な知識」と思い誤るのは人間の習性です。われわれは、毎日目に触れるものの意味を問うというようなことをほとんどしません。……(中略)……。このような悪い習慣が、ある言語を他の言語に正確に翻訳する訓練と、われわれが子供の頃から絶えず使用して慣れ親しんできたのではない言葉が表現する意味を探り出す訓練とによって矯正されるようになるということは、今や明白です。(p.34-35)


外国語(本書の文脈では主にギリシア語やラテン語)を習得することの効用として、慣れ親しんで当たり前になってしまったものの意味を問い直すことに繋がるという点を挙げている。ある意味、学問の基本の一つと言える。



外国人は自分たちとは違った考え方をすると思うだけで、なぜ外国人が違った考え方をするのか、あるいは、彼らが本当に考えていることは一体何なのかということを理解するのでなければ、われわれのうぬぼれは増長し、われわれの国民的虚栄心は自国の特異性の保持に向けられてしまうでしょう。(p.37-38)


現代日本の右派ないし保守派と呼ばれる政治家(安倍晋三や石原慎太郎のような人たちやその近くにいる人びと)や所謂ネトウヨのような人びとが陥っている状態を的確に指摘している。



人間の知性の成功と失敗、その完璧な成果とともにその挫折を知ることや、すでに完全に解決のついた問題とともに未解決な問題があることに気づくことも教育上有益です。(p.90)


決着のついていない(見解の一致を見るに至っていない)哲学の議論について知ることの教育上の価値について述べている。哲学史や思想史の教育的意義は、最近顧みられることがない気がするが、それなりに重要なことであると思う。



 英国で「芸術」(Art)という語が単独で用いられるようになり、「科学」「政治」「宗教」と同様に「芸術」について何かが語られるようになったのはごく最近で、それも外国人がそうするからそれを模倣したというだけの話です。(p.118)


Artという語が単独で用いられるようになったのが最近(1867年当時)というのは意外性はないが、外国人を模倣したという認識である点は興味深い。現実の過程としてはどうだったのだろうか?



職業の高貴さなどというものは、本来、仕事そのものにあるのではなく、ただその遂行の仕方によって生ずるものであります(p.128)


なるほど。職業に限らず、どのような作業や仕事にもこれは言えるかもしれない。



しかしただ一つ、諸君の期待を決して裏切ることのない、いわば利害を超越した報酬があります。なぜそうなるかと申しますと、それは、ことのある結果ではなく、それを受けるに値するという事実そのものに内在しているものであるからです。では、それは一体何であるかと申しますと、「諸君が人生に対してますます深く、ますます多種多様な興味を感ずるようになる」ということであります。それは、人生を十倍も価値あるものにし、しかも生涯を終えるまで持ち続けることのできる価値です。(p.134)


大学教育がもたらす(べき)価値とはこうしたものであろう。確かに、私もいろいろな学問に触れることによって、こうした面白さを初めて知るようになった、という経験があるので、言っていることはよくわかる。これから大学に入ろうとしているような身内などにはぜひ教えたいとも感じているが、実際に体験していない人に伝えることの難しさも感じる。



「公衆衛生」の問題は、19世紀中頃のイングランドでは、もっとも関心の高い社会問題の一つであり、またその改善のために多大の努力が払われた。(p.146)


明治から大正の頃に日本で後藤新平などが公衆衛生について伝え、都市計画などにも反映させたというような事態は、そ、このようなイングランドでの動向も背景の一つだったのであろう。

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