アヴェスターにはこう書いている?
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蝦名賢造 『札幌市の都市形成と一極集中』(その2)

 札幌市は歴史的に計画的に都市づくりを進めてきているが、冬季オリンピックを目途とした「札幌五ヵ年計画」においては、特に多額の資金を投入し、札幌はまったく一変したとすら言われている。基幹的道路体系が確立され、さらにわが国第4番目の距離をもつ地下鉄「南北線12キロ」も開通される。都心では大型店舗・地下商店街・ホテル等の建設ラッシュが続き、新庁舎に象徴されるようなビルの高層化がすすんで、“詩の都”のイメージの札幌市は“国際都市札幌”の名にふさわしく近代的な街なみに整備されてゆく。(p.74)


現在の札幌の街並みや都市の構造は、1972年の冬季オリンピックのときに造られたインフラ(特に地下鉄と地下街)がその骨組をなしているようである。



 全国各地において、当時の大都市は京浜、中京、阪神という工業地帯のなかに所在していたため、幾度も幾度もB29の空襲を受けている。そのなかで、無傷だったのは京都と札幌の二市だけである。(p.75)


なるほど。京都が空襲を受けなかったのは歴史的な文化遺産が多く残っていることもあったのではなかろうか。また、札幌は工業都市になれなかったことが、幸いしたとも言えるように思われる。



「北海道は、昭和45年に至る10年間に、農林漁業と鉱業で30万人の就業者が減少し、労働力流動化を激しいものにした。一方、就業者の増加した産業は約60万人である。この間、札幌で増加した就業者は22万人であるから、全道で増加した就業者の3分の1を吸収したことになる。」(p.86)
鉱業とあるのは、主に石炭関係であろう。空知地方の炭鉱から札幌への流出があったとされるが、彼らはその後どのような業種へと転換したのだろうか?興味を惹かれる。



 札幌市の人口増加は、短期間にかつ急激に展開された。これは札幌市と同等の地方ブロック拠点都市にくらべてもきわめて激しい集中度である。この現象は植民地または新興国における首都人口の異常な集中度を類推させるものがある。(p.86)


この点も私の関心(北海道開拓とその他の植民地支配との関連性ないし連続性はどのようになっているか)に照らして興味を惹かれる記述である。



 この調査でユニークなのは、「読書力」という項目であり、第十章にその結果分析が示されている。海保によれば、この調査項目は台湾(旧日本帝国植民地)に次ぐものであるという。読書力とは、「読ミ書キ得ル」ことであり、今日の「活字文化接触度」とか「図書購入程度」とか、または「図書館利用状況」とかではなく、単に「識字力」である。台湾に次ぐ国内2番目という点では、いわゆる内国植民地と考えられた当時の北海道、そして札幌の開化度を象徴するものとして、興味深い。(p.162)


この調査とは、高岡熊雄による「札幌区々勢調査研究」(大正9年)である。識字力が台湾に次ぐというのは、やや意外な感がある。台湾はもともと日本語話者ではない人がほとんどだったと思うが、北海道は本州などから渡ってきた人が多かったのだから、日本語話者ではあったはずである。それにもかかわらず、台湾の方が識字力が高いというのには驚いた。「識字率」ではなく「識字力」というのがポイントなのか?


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