アヴェスターにはこう書いている?
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半田滋 『日本は戦争をするのか――集団的自衛権と自衛隊』(その2)

 「集団的自衛権」という言葉の誕生はそれほど古くない。……(中略)……。
 1945年2~3月、中南米諸国が参加したチャプルテペック会議で米州いずれかの一カ国への攻撃をすべての加盟国に対する侵略行為とみなして軍事力行使を含む対抗措置をとることで合意した。「集団的自衛権」という言葉の誕生である。会議は圧倒的な軍事力を持つ米国が主導した。ダンバートン・オークス会議の武力行使の禁止から大幅に後退した。
 ……(中略)……。
 当時、東西冷戦が始まりつつあった。集団的自衛権は、同盟国・友好国を陣営に取り込む必要性があると考えた米国が生みの親となった政治的産物である。ただ、国連憲章第51条は「安全保障理事会が(略)必要な措置をとるまでの間」との条件を付けて個別的自衛権、集団的自衛権の行使を認めているに過ぎず、自衛権行使そのものが例外的措置であることを明記している。
 集団的自衛権は東西冷戦のゆりかごの中で成長した。驚くべきことに第二次世界大戦後に起きた戦争の多くは、集団的自衛権行使を大義名分にしている。(p.46-47)


集団的自衛権は、冷戦を背景として成立した政治的産物だという理解は重要と思われる。西側の軍事力が強くない国が東側から攻撃を受けた場合、アメリカをはじめとする他の西側諸国が東側に反撃するということで、攻撃を抑止する効果や実際に攻撃が生じた場合でも攻撃を受けた国が東側に制圧されないようにアメリカなどが軍事介入することができるようにした、ということ。

現在の日本での議論でも集団的自衛権を行使することができるようになれば「抑止力になる」と推進側は主張しているが、実際には、何らかの攻撃やそれに近い状態が一度生じた場合には、集団的自衛権の行使は戦火を拡大する方向に作用する傾向があるということははっきりさせなければならないだろう。推進しようとする側が、こうした点についてまともな説明をしているのを私は聞いたことがない。(自衛隊に犠牲が出る可能性について問われた安倍晋三は、数日前に放送されたNHKの「クローズアップ現代」でも、質問に答えず、自衛隊の仕事に敬意を表するなどと的外れの回答をしたに過ぎなかった。)

第二次大戦後の戦争の多くが集団的自衛権を名目にしている点は驚くにあたらない。当然のことである。この点については、客観的な事実を共有すべきである。現在の政府(安倍政権)は、都合の悪い事実は報道されないように振る舞っている。極めて不公正であり、不誠実であり、恣意的だと言わざるを得ない。



 ベトナム戦争を参考にすると、集団的自衛権行使を理由に参戦するのは、米国のように「攻撃を受けた外国を支援する例」、韓国のように「参戦した同盟国・友好国を支援する例」の二つのケースがあることが分かる。前者の典型例はソ連によるアフガニスタン侵攻であり、後者は自衛権を行使して攻撃を開始した米国のアフガニスタン攻撃を支援した英国の例がある。
 興味深いのは、集団的自衛権を行使して戦争に介入した国々が「勝利」していない点にある。(p.48)


集団的自衛権によって参戦する事例に2パターンあることを指摘している。安倍政権のこれまでの説明では、前者を強調しているようだが、実際に起こることは後者の方が遥かに可能性が高く、恐らくはそうした事例に軍事力の投入をすることが本当の狙いではないかと思われる。

なお、介入した国が「勝利」していないという指摘は重要である。介入された国の一般の人々から得られる支持が当該国の軍隊と比べてかなり低い場合が一般的だと思われるが、このようなことなども大きな要因と思われる。



自民党は野党だった2012年7月、それらを下位法と位置づけ、上位法である「国家安全保障基本法(概要)」を制定することを総務会で了承した。
 ……(中略)……。安倍政権はパズルをひとつひとつ埋めるように概要の項目を先取りしている。
 ……(中略)……。
 概要の第八条「自衛隊」には、「必要に応じ公共の秩序の維持に当たる」とある。(p.50-51)


この法律の内容が出てくるのは来年の夏頃だろう。自民党の考え方については、いかに個人の自由や権利を蔑ろにしているか、もっと広く知られるべきだと思う。


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