アヴェスターにはこう書いている?
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まどか出版 編 『日本人、台湾を拓く。 許文龍氏と胸像の物語』(その3)

 松木が三井、三菱の参画にこだわったのは時勢を読んでいたからだろう。どちらか一社ではアルミ生産が追いつかなくなると見抜いていたのではないか。もっと資源が渇望される時代が必ずくる、と……。三井、三菱に古河、住友を加え、台湾電力も出資して「日本アルミニウム株式会社」が35年6月に設立される。直ちに台湾南部の高雄で工場建設が始まり、翌年には第一期工事が竣工し、台湾の軽金属工業がフライトしていく。
 そして37年、時局はめまぐるしく変化し、日中戦争の火ぶたが切って落とされた。軽金属は国策的必需品となり、台湾の軍需関連産業は驚くべき速さで成長する。台湾電力は、産業界に血液を供給する心臓となった。……(中略)……。
 ……(中略)……。
 松木が没した39年、台湾の工業生産は農業生産を上回った。皮肉にも戦争の圧力によって開いた工業社会の扉は、米軍の爆撃で閉ざされたかにみえたが、戦後、台湾人自身の手によって、より雄々しく開け放たれるのだった。(p.263-264)


このサイトに近々アップする予定の本(『台北帝大生 戦中の日々』)でも日本アルミニウムについての記述があった。そちらの本では花蓮港(現在の花蓮)の工場に関する記述があったのだが、最初の工場が高雄に建設されたというあたりからも、軍需産業だったのだということがわかるように思われる。台湾は当時、南進のための兵站基地という位置づけであり、南に開いた大きな港が高雄だからである。

ちなみに、花蓮港も軍事都市であり、ここに日本アルミニウムの工場が建てられたことも納得できるものがある。

なお、戦争が工業化を促進したという点はやはり北海道とも共通していると思われる。



 台湾紅茶は「渋味を抑えたまろやかな味」で、1960年代まで隆盛を極めた。ただ残念なことに、70年代に粗悪品が出回り、80年代には市場から姿を消したという。ところが、99年に台湾大地震が発生、震災の復興策として紅茶の生産が再開され、再び耕吉郎の存在が脚光を浴びるようになった。(p.275-276)


台湾というと烏龍茶のイメージが強いが、紅茶もどのような味か飲んでみたいところだ。



 日月潭は台湾を代表する観光名所である。多種多様なテーマツアーができ、そのなかで猫囒山歩道(全長約4.6キロ)が「紅茶の故郷」として「紅茶の棚田、日の出、日月潭の美景」をテーマとする観光スポットとなって整備されている。
 歩道は紅茶の棚田に沿って始まり、頂上の気象ステーションから日月潭が一望できる。紅茶の茶畑に沿って、「和式宿舎古跡」「茶改場」「旧紅茶工場古跡」「紅茶博物館」「日本技師紀念碑」「茶園」などが続く。このうち「和式宿舎古跡」は日本式の木造住宅で、耕吉郎などの職員が住んだ日本植民地時代の官舎(95ページの写真参照)。「日本技師紀念碑」が「台湾紅茶の父・新井耕吉郎」を讃えた記念碑である。
 現在でも、新井耕吉郎の功績は、台湾観光とともに語り伝えられている。(p.283-284)


台湾には何度も足を運んでいるが、未だにこの有名なスポット(日月潭)に行けていない。行く機会があれば、この紅茶関係のスポットはしっかりと見てきたい。



 又男が台南市長となったのは太平洋戦争のまっただ中のことであった。当時の台南市の人口は17万人で、うち日本人は1万7000人であった。台湾人は日本人官吏に対して不満がないわけではなかったが、口には出せない状況であった。……(中略)……。
 当時の台南市はまだ不潔で、特に下町は紙屑、豚や魚の骨、野菜屑など下水に投げ捨てられ、下水工事が不完全なため、水はけが悪く、悪臭がひどかった。そこで、又男市長は衛生環境を改善するため、環境整備をモットーに清掃コンクールを実施した。市長の愛の行脚により、市民も水道課の職員も緊張し、区長などの陣頭指揮ぶりも目覚ましく、下町の衛生環境は大いに改善された。(p.300-301)


太平洋戦争時の台南の状況。


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