アヴェスターにはこう書いている?
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鶴見良行 『バナナと日本人』

 殿様や皇室に献上する珍奇な食物としてはいざ知らず、商品としてのバナナが最初に日本にやってきたのは、1903年(明治36年)、日露戦争の前年である。台湾の北端に位置する基隆の芭蕉商、都島金次郎が日本郵船の西京丸で篠竹製の魚かごに詰めて七かごを神戸に送った。……(中略)……。
 日本向けバナナの主要生産地は、台湾の高雄州だった。日本の植民地となってまだ間もないころ、山岸幸太郎という人が高雄州の屏東地区でバナナ栽培を始めた。(p.1-2)


バナナが日本に広まるのは、かなり新しいことだということがわかる。日露戦争の前年というよりは、日清戦争終結の8年後という方がある意味では適切だろう。日清戦争の結果、台湾を植民地として獲得したことがバナナ移入の前提となっていると思われるからである。

高雄州がバナナの産地だったという点に関しては、私が数年前に行ってきたところでは旗山(現在の高雄市旗山区)が想起される。



買う自由、と見えるものが実は、買わなければならない立場への強制にすぎないという現実は過酷である。
 フィリピンはどんな田舎に行っても、コーラとインスタント・コーヒーと「サン・ミゲル」のビールだけはある。どれも外国資本の製品だ。サン・ミゲルは地場資本だが、当主のソリアノはアメリカ国籍の持ち主である。(p.159)


もともと、自分たちで消費するものは自分たちで作っていたが、外国資本(多国籍企業)によって畑で栽培するものを指定されてしまうと、自分たちで作ったものを消費することができなくなり、多国籍企業の支配下で働くことで賃金を受け取り、それを使って多国籍企業の商品を選んで買う。こういった関係性についての説明。



結果において「安全」と「危険」のどちらを強調するにせよ、そもそも「食べて安全かどうか」というだけの捉え方には、作ってくれた人びとの労働が見えなくなった消費者のエゴイズムが感じられてならない。(p.189)


なるほど。



 日本の消費者物価は、1970~80年に2.37倍に上がった。各家庭の食費はそれを上廻って2.51倍に増えている。ところがバナナへの支出は、0.82倍に減った。……(中略)……。日本の家庭は、バナナを買うかわりに、もっと珍しいニュージーランドのキウイやアメリカのグレープフルーツに財布を開くようになったのである。(p.205)


今考えると物価の上がり方がすごい。また、バナナからキウイやグレープフルーツへという流れも面白い。





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