アヴェスターにはこう書いている?
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岡本信広 編 『中国西南地域の開発戦略』

 雲南省は蕎麦の発祥の地として有力です。蕎麦は雲南省から中国北部、朝鮮半島を経て日本に伝わったといわれますが、日本人にとってなじみのある蕎麦は普通種(甘蕎麦)、ダッタン蕎麦は苦蕎麦といわれ、日本の蕎麦の起源とは信じられないほど、全く正反対の味です。(p.120)


蕎麦は日本で独自の変化を遂げたように見えるが、そこに行きつくまでの軌跡はどのようなものだったのか?非常に興味がある。



 価格が低く抑えられ、収益が圧迫されている状況の下で、山西省は、図4のとおり、石炭の6割以上を省外に移出し続け、電力とコークスについても1980年代はほぼ一貫して省外移出率を高めることとなった。まさしく沿海部の発展を支えるエネルギー供給基地としての役割を一貫して果たしてきたといえる。それにもかかわらず、中央政府が石炭価格の低位抑制という形で人為的な介入を行っていたことは、沿海部の発展を支えるために山西省を犠牲にしてきたととらえられても仕方ないことだろう。沿海部の製品の多くは輸出向けとして生産されてきたわけであり、そうした中国製品の国際市場における競争力の源泉はまずは低コストの人件費があげられるが、同じく低いエネルギーコストも競争力の強化に寄与してきたことも紛れもない事実である。(p.133-134)


数年前、山西省や内モンゴルに行ってきた際、列車の車窓から石炭の積まれた山の連なりが見えたのが思い出される。

中国には国内に(世界システム論や従属理論が言うところの)「中核」と「周辺」があると捉えると分かりやすい。



 そもそもこの漢の武帝の「滇国」討伐は、武帝によって西域に派遣された張騫が建議したものであると伝えられる。漢の都長安からローマに続くいわゆるシルクロードの途中に位置する西域と雲南省が何の関係があるのかという疑問がわいてくる。それは張騫が西域の国で四川省の竹や布などの産品が流通しているのをみたからだという。それらの産品はインドからもたらされたもので、さらにインドには雲南省からビルマを通じて運ばれていた。そこで張騫は雲南省をまず傘下に収め、この交易ルートを通じて西域とよしみを結び、北方で漢を脅かす匈奴を牽制することを武帝に進言した。これが武帝による「滇国」討伐の背景にあったという。
 すなわち雲南省の海外とのネットワークは少なくとも2000年以上に及ぶ筋金入りのものである。しかし現状では緒についたばかりである。そもそも1980年代に改革開放都市に選ばれなかったのは痛恨であった。その理由は、1979年にベトナムとの間で勃発した中越戦争の最前線であったためである。外国と境を接するフロンティアであることが、逆にマイナスに働いた。しかし数十年の時を経て、ASEAN諸国が中国との連携を求める状況の下、再び雲南省が注目されている。(p.157)


漢の時代に、中国西南部-ビルマ-インド-西域と連なる交易ルートがあったということが興味深い。

また、ASEANと中国のFTAは2010年1月に発効した。中国西南地域はASEANに隣接していることから、FTAの締結は本書では西南地域の開発にとってプラスとなることが期待されていたが、発効後、どのような影響が出ているのか興味が惹かれる。



中国随一の商業都市である上海も、戦前こそ国際都市として栄えたが、戦後外国資本が香港などに撤収してかつての輝きを失い、次第に改革開放のメッカである広東省の後塵を拝するようになった。復活のきっかけは1990年代の浦東開発を通じた外資導入である。(p.159)


90年代以降、上海とその周辺の地域は広東省を中心とする華南地域を急速に追い上げ、追い越したという流れになっている。

そして、本書によれば、そうした追い上げを受けた広東省や華南地域が、西南地域を後背地として一体的に経済発展することを志向する動きを始めたという流れは興味深かった。

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