アヴェスターにはこう書いている?
本を読んでいて気になったことなどを徒然なるままにメモしておくブログ。書評というより「読書メモ」。
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「ツァラトゥストラはこう言っている?」の姉妹編。日々読んでいる本から気になった箇所をピックアップして自由にコメントするブログ。

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モンテスキュー 『ペルシア人の手紙』

 好んで、自分を教育するものは、決して、閑人ではありません。私は、何も大切な仕事を背負ってはいないが、しかし、断えず忙しくしています。じっくり物を観て、日を過ごす。晩には、その日に私の見たこと、聞いたことを、書き留めます。物みな心を惹き、物みな心を打つのです。まるで子供のようで、五官がまだかよわく、物の数に入らぬ物にも、ひどく感じます。(上p.125)


おおむね同意見である。本書にはしばしばこうした処世訓的なニュアンスの記述が出てくるが、割と的を射ているものが多いように思う。



 フランス人の十中八九まで、熱望しているのは才気(エスプリ)をもちたいということであって、才気をもちたいと思うものが夢中になっているのは、本を出すことなのだ。
 ところが、これほど間違った考えはない。それというのも、人間の馬鹿げた所作も、すべて一時の幻であるように、ちゃんと自然にうまくできているのに、本などというものは、それを永遠不滅のものにしてしまうからである。ひとりの阿保が一緒に暮らしているすべての連中を、くたびれさせただけで満足すべきであろうに、さらに進んで、これから生まれる人間どもまで悩まそうと考えるのだ。自分の阿保ぶりを絶対に忘れさせまいと努力する。忘れるということは、墓と同じように、有難く頂戴すべきものなのだ。然るに阿保は後世のものに自分が生きていたことと、自分が阿保だということを永久に覚えさせようと思っているのだ。(上p.173-174)


なかなか辛辣な警句。

ただ、たとえある本を書いた者が「阿保」であり、それが後世まで笑い種になるとしても、それが批判の対象としてであっても有用なものなのであれば、無意味とは言えないし、例えば、学問の世界などでは書かれてきたもののほとんどは、ある意味では間違っているにも関わらず、それらが間違っているという理由で書かれなかったとすれば、学問の展開もなかったということになってしまう。その意味で、この警句は全面的に支持されるべきものではない。

むしろ、人が気付きにくい一面に光を当てており、「才気」を持ちたいと思っている人たちに対しての一種の自戒の念を持たせるための警告を発しているものと言えるのではないか。



 正しい戦争には二つの種類がある。ひとつは攻撃を加えて来た敵を防ぎ押し返す時、もうひとつは攻撃されている同盟国を援ける戦である。(下p.61)


個別的な自衛のための戦争と集団的な自衛のための戦争は正当な戦争であるとモンテスキューは言っているようだ。(手紙はユスベクが出したものとされているが。)

こうした問題については、今世紀に入ってから何度か突きつけられたが、18世紀にも既にこうした問題意識を持つ人はいたということか。



 ユスベク君、虚栄心なるものは生きて行くのに必要な範囲よりも大きいと不幸を招くね。そういう人間は、ひとに誉められようと焦るので、ひとに嫌われる。何とかしてひとを見下そうとする。しかもひとと肩をならべることすらできない。
 謙虚なひとびとよ、私はあなたがたを抱擁しよう。あなた方こそ人生の和やかさや楽しみをかもし出すものだ。(下p.199)


妥当な処世訓。



 十八世紀の初頭からフランスの読書界はアジア本が流行児となっていた。ベルニエ、シァルダン、タヴェルニエなどのペルシアその他、東邦各地の旅行記、ギァランの「千一夜物語」が喜ばれ、殊にデュ・フレスネイのシァム人物語が大いにもてはやされていたが、若いモンテスキューは特にフレスネイの作品に倣って、ペルシアの二紳士の手紙に託して奔放な社会・政治・経済批判を試みたのである。(下p.223-224)



訳者解説より。

美術などの世界でもシノワズリが流行したのは17世紀半ばから18世紀半ばであるから、読書界の動向とも一致していることがわかる。



ランソンの云うように、宗教の本質を知らぬモンテスキューは随所に錯誤を冒し、キリスト教並びにイスラム教に対する無智を暴露しているが、それゆえにまた本書を歓迎した十八世紀初頭のフランス社会思想の在り方を明かに示す資料となっている。(下p.224-225)



なるほど。


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