アヴェスターにはこう書いている?
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河本英夫、L.チオンピ、花村誠一、W.ブランケンブルク 『複雑系の科学と現代思想 精神医学』
「分裂症治療からカオス理論へ」

われわれがある感情状態にあるとき、われわれの思考はつねに特定の可能性の領域内を動き、その可能性のかなりの部分はすでに前もって回路づけられています。(p.52-53)


L.チオンピの「感情論理」の理論。

否定的な感情状態に浸っているとき、明るい未来を構想することは困難な傾向が確かにある。つい先日、私自身がある人と話をしていて、あまりに未来へのビジョンが欠けていることに驚き、ある意味(その人の置かれている状況を考えると、その人が克服しなければならないものに対するあまりの無気力さに)憤りさえ感じたことが想起される。感情をプラス方向に持っていくことによって、その思考回路を変えることができる可能性があることが示唆される。

ただ、感情がマイナスのままで、プラスに行かないことがある意味で本人にとって「心地よい」場合もあり、そこに作用している外的条件があるとすれば、それを改変することも同時に必要なことがあるように思われる。すなわち、システムが作動して自己を形作るとき、その作動はその作動の外部から何らの影響も受けずに行われるわけではないから、そちらをコントロールすることでシステムの作動自体を方向づけてやることができる可能性がある。



 次に感情の思考に対する特殊オペレータ効果を扱いましょう。この場合ある感情とほかの感情とでは作用に区別が生じます。たとえば、「関心」という感情は――一般感情学説によれば関心は典型的な感情に属します――、一般的な認知的「覚醒状態」(arousel)に導きます。それは一般的な注意を活性化し高めます。それに対して不安は距離を生みます。「それから離れろ、気をつけろ、気をくばれ!」というわけです。「怒り」はといえば、これは制約的で、(とくに)「ここまでにしろ、もうやめておけ!」という意味をもちます。この制約・限界設定が、進化的には攻撃性のきわめて重要な機能です。そのうえで攻撃性は、その限界、その区域を押し広げます。攻撃性もまた進化・発展的です。怒りは、進化的にみる限りは有意義な感情なわけです。喜び、愛など、概してポジティブな感情は、私と対象との結びつきを生みます。私が何かにポジティブな感情を割り当てたなら、私はそれに接近していきます。私はそれを私の世界へ組み込み、組み入れます。それと反対に悲しみは、結びつきが機能不全となり再び絶たれてしまう感情です。以上すべてが、感情の特殊オペレータ効果として重要なものです。(p.67-68)


「関心」「不安」「怒り」「ポジティブな感情」「悲しみ」の特殊オペレータ効果の説明。

「関心」が一般的な注意を活性化させるというのは興味深い。何かに関心をもつと、その対象だけでなく一般的な注意が活性化されるということか。確かに、いろいろなことに関心をもっている人は積極的に活動する傾向が高く、様々なことに気づき、それが生活をさらに面白くしていくという傾向があるように思われる。



私自身はといえば、いまここでは全幅にわたって展開できない複雑なさまざまな理由から、あまりにラディカル構成主義は誤謬へ、つまり独我論へ、また過度の人間中心主義へといたるという意見です。したがって、われわれは相対的構成主義とでもいうようなものに目をむけるべきだと思います。すなわち、たしかにわれわれは、われわれの感覚器官やわれわれの経験にしたがって、われわれの世界を構成します。しかし、前提として要請されるわれわれの外部にあるもの、つまり「現実」(Wirklichkeit)にまったく依存せずに構成するわけではないという考え方です。(p.76)


チオンピのラディカル構成主義に対するスタンス。ラディカル構成主義が世界を構成する中心としての自らの意識を定点としてしまい、それを絶対化してしまっている点に対する批判が含まれている。相対的構成主義として述べられているのは、世界を構成する認識主体も他の外部要因と相関する変数であると仮定しながら、相互関係の中で世界像が構成されていくということであろう。確かに、ラディカル構成主義よりはこちらの方が妥当性が高い。

オートポイエーシスではこの機構をさらに明確かつ妥当性が高い仕方で語ることができることが、この理論構想の魅力の一つであるというのが私の見解である。


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