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アヴェスターにはこう書いている?
本を読んでいて気になったことなどを徒然なるままにメモしておくブログ。書評というより「読書メモ」。
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「ツァラトゥストラはこう言っている?」の姉妹編。日々読んでいる本から気になった箇所をピックアップして自由にコメントするブログ。

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マイケル・サンデル 『ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業 上』

 この章はベンサムという功利主義の出発点にあたる思想家の考え方を説明しています。
 彼の「最大多数の最大幸福」という言葉は非常に有名です。
 その説明においてサンデル教授は、費用便益分析を例として用いているのですが、これは様々な政策決定や立法の妥当性を「どういう結果が生じるか」ということから考えます。結果として得られる便益から、かかる費用(コスト)を引くことによって、その計算に基づいて、政策や法律を決めようという考え方なのです。(p.65)


私はこれまでは費用便益分析に対しては、その計算の基礎となる対象をどのように選ぶかという点について恣意的であるという面をよく批判してきたが、それが帰結主義的な道徳原理に基づいているということが本書の講義により明確になったのは収穫だったと思う。



サンデル なぜ、家族を養うためであっても盗んではいけないのか。
ジョン 先生が最初の講義でおっしゃったとおり、いい結果がもたらされるからといって、その行為が正当化されるとは限らないからです。(p.118-119)


これはリバタリアニズム批判の文脈での議論なのだが、このあたりを読んでいるときに気づいたことがある。本書ではリバタリアニズムは定言的な道徳原理の一種として取り扱われており、実際、論理的にみるとそうなるのだが、実際の政策論議の中ではむしろリバタリアンたちも「結果」を見越して議論を組み立てていることの方が多いのではないか?という疑問が浮かんだ。

もしそうだとすれば、大衆に受け入れられる論理展開という観点からみると、帰結主義的な考え方はかなり強力な考え方であるからではないだろうか?それが問題であると私は思うが、それは、それが道徳原理としては比較的底が浅く、すぐに倫理的な限界に突き当たってしまうと思えるからである。



 自然状態について話すとき、彼は想像上の場所について語っていたわけではない。すべてアメリカについて話していたのだ。(p.155)


彼というのはジョン・ロックである。古典的著作を読むときにはこうした背景を読み取った上で念頭に置きながら読むことが必要である。最近、あまり古い本を読んでいないので、そろそろ立ち返ってみようかと思い始めた。

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