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アヴェスターにはこう書いている?
本を読んでいて気になったことなどを徒然なるままにメモしておくブログ。書評というより「読書メモ」。
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「ツァラトゥストラはこう言っている?」の姉妹編。日々読んでいる本から気になった箇所をピックアップして自由にコメントするブログ。

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文春新書編集部編 『論争 格差社会』(その3)
精神科医の斉藤環の文章。本書でのこの人の論はほとんど荒唐無稽で、聞くに値するほどのことはほとんど言っていないが、一つだけ、それなりに興味深いことを言っていた。以下はその部分である。

 「負け組」の若者にとって、怨念の対象は「少し上」の階層だ。この階層に属す人々は、まさに自分たちにとって交換可能な存在であるが故に、怨嗟の的になる。彼らと自分たちとの差はほとんど運と確率の差でしかない。ならば格差社会化は、この階層の人々が中流から下流に転落する過程を推し進めるがゆえに、言い換えるなら「仲間を増やしてくれる」と想定されるがために歓迎される。おそらく彼らの多くが小泉政権を漠然とながら信頼している背景には、そのような気分も控えているのではないか。(p.98、強調は引用者)



下層の若者(三浦展のいう「下流」も団塊ジュニアあたりの世代が想定されているが、この年齢層は不況の真っ只中に卒業した世代で、その悪影響を就職難という形で、最も強く受けている。)が新自由主義を支持してしまう心理をそれなりに的確に説明しているように思う。

「既得権益」を破壊することによって、それに守られた人間を「引きずり落とす」こと、そうして自分と似た「あまり恵まれていない状況」の者が増えれば、劣等感を刺激されることはなくなり、自尊心を保ちやすくなるという仕組みである。

これだけで説明しきることはできないにせよ、若い人間が新自由主義を抵抗なく受け入れる背景に、こうした心理があると想定することはできそうである。

しかし、その不毛さには気づくべきだし、「若者」がそうした「下方での平等化」を支持できるのも、彼ら自身にまだ親が健在だからであるにすぎない。そのとき、彼らは自らの選択によって自分の首を絞めることになる。文字通りに。
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テーマ:読書メモ - ジャンル:本・雑誌

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