アヴェスターにはこう書いている?
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東京都板橋区、首都大学東京 共編、岡部卓 著者代表 『生活保護 自立支援プログラムの構築 官学連携による個別支援プログラムのPlan・Do・See』

 これまで生活保護の相談援助活動における評価は、量的指標である廃止数(生活保護廃止=自立)あるいは扶助費の減額が評価指標と考えられた。それ以外の明確な指標は、十分作成されてこなかった。板橋区の自立支援プログラムにおいては、到達目標(評価)事業として、各プログラム別に到達目標(評価)指標を設定し、策定・実施・評価(PlanDo See)というサイクルの確立を図った。(p.14)


確かに、廃止数や扶助費がいくら減額となったかという指標以外の評価指標は確立されていないと思われる。生活保護における自立は経済的自立、社会生活自立、日常生活自立があるとされているが、上記の2つはいずれも経済的自立に関する指標であると考えられる。社会生活自立や日常生活自立に関する指標は、「何ができるか」をチェックリストによるものなどが考えられるかも知れない。

しかし、いつも不思議に思うのだが、生活保護で社会生活自立や日常生活自立を支援する必要性がどこにあるのか?ということである。生活保護を申請して受給に至るために必要な要件は、経済的な自立ができないことであり、社会生活自立や日常生活自立ができないからといって保護を受けられるわけではないからである。もちろん、経済的自立ができない人には複合的な「自立阻害要因」があると考えられるのだろうが、そうした問題を抱えているのは生活保護受給者だけではない。むしろ、そうした要因がある人を経済的困窮する前の段階でフォローすることによってこそ、保護受給に至らずに経済的自立を維持することができる可能性が高まるというものだろう。従って、それらの対策は生活保護の範囲外で行うべきであり、生活保護は経済給付に特化し、分野毎に制度を分立する方向に進めるべきではないか、というのが私見である。その点で、自立支援プログラムを定めることで一層包括的な支援を行うという方向性には疑問を感じざるをえない。



 例えば、「在宅要介護(要支援)高齢者等支援プログラム」では、介護保険サービスを利用している高齢者で、日常生活の問題がないことを(日常生活自立の達成)プログラムの帳票をチェックすることで確認できれば、以降は問題が生じなければ定期的な家庭訪問を減らし、支援方針はケアマネージャー等との連携を中心としたものとなる。
 もちろん、帳票のチェックで課題がある場合は課題改善へ向けて、個別支援プログラム実施要領にある流れにより関係機関との連携を進めることとなる。この課題発見をケースワーカーの判断だけにまかせるのではなく(まかせてしまうとケースワーカーごとの経験などの差が出易い)個別支援プログラムとして行うこととした。(p.37)


最後の一文は重要な点である。自立支援プログラムに対しては批判的な見解を私は多く持っているのだが、ケースワーカーの個人的な資質や考え方に依存しがちだった部分を、できるだけ客観的な(複数の人の合意に基づいて了解され、それを他者に説明することが可能な)指標にもとづいて組織的な対応をすることで支援の質や量の最低限のレベルを担保するという考え方は行政としてあるべき方向性を示していると思われる。

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テーマ:読書メモ - ジャンル:本・雑誌

この記事に対するコメント
理屈で通れば就職難は無いだろう
まぁ、そんだけハロワはカスってこと。
ハロワ職員と福祉事務所事務所職員の簡単な比較

a.ハロワ職員
求職者が就職できようができまいがまったくお構いなしの公務員の鑑といえる。
ノルマないから。

世間を知らないハロワ職員に就職相談しても「何言ってんだこいつ?」みたいな感じ。
一般論しか聞けなし待ち時間が長すぎる。
さんざん待った挙句に仕事の紹介なんて紹介状発行とそちらにクズの無職が逝くからwの電話くらい。

職探しもバックアップなしのシングルで行う。

あそこは雇用手保険や職業訓練基金等の金を貰いに行くところ。
職を探すところではない。

b.福祉事務所職員
生活保護者のコアな部分を知りつつ、「保護費削減」というノルマがある。
今時の不景気に申請拒否とか受給強制辞退させたりすると人権屋が大挙し2chやYoutubeに晒される。

自立支援で担当者のバックアップが有る。もちろん自分で探すのもあるが、マインド面が全然違う。
また、適正であろう仕事を紹介し保護者が自立できたら担当者の評価が上がる故に同じ公務員でもポジティブ差がダンチ。

また福祉事務所は喜怒哀楽の人間模様とかが見れて貴重な体験ができる。
一度、福祉事務所へ行って相談待ちの間、人間観察すると良いだろう。

>それらの対策は生活保護の範囲外で行うべきであり、生活保護は経済給付に特化し、分野毎に制度を分立する方向に進めるべきではないか

要するに君は「論理思考の頭でっかちのぼうや」だから理解できていないのだろうな。
ママにそこ等辺よーく教えてもらうと良いよ。
【2010/08/19 21:32】 URL | 危ない名無しさん #JmQ9Zhlg [ 編集]

Re: 理屈で通れば就職難は無いだろう
> a.ハロワ職員
> 求職者が就職できようができまいがまったくお構いなしの公務員の鑑といえる。
> ノルマないから。

就職した方が自分のところの客が少なくなるから仕事が楽になるだろうし、うまくマッチングさせることは自己効力感にも繋がるから、ハローワーク職員にも就労させるインセンティブはあるはずである。


> 世間を知らないハロワ職員に就職相談しても「何言ってんだこいつ?」みたいな感じ。
> 一般論しか聞けなし待ち時間が長すぎる。
> さんざん待った挙句に仕事の紹介なんて紹介状発行とそちらにクズの無職が逝くからwの電話くらい。

ハローワーク職員は企業に営業のように行ったりしているので、個々の企業から直接話を聞く機会がある。福祉事務所ではそうしたリサーチはできないのでハローワークの方が具体的な情報を持っている。それに基づいて個別の企業についての話ができる。特に大都市でない地方都市以下であれば、どこの企業ならどのような人を採用するか、採用後に従業員をどのような使うかという情報もある程度持っている。


> b.福祉事務所職員
> 生活保護者のコアな部分を知りつつ、「保護費削減」というノルマがある。
> 今時の不景気に申請拒否とか受給強制辞退させたりすると人権屋が大挙し2chやYoutubeに晒される。

扶助費削減は通常の意味での「ノルマ」ではない。これこれの金額を削減しろというノルマがある福祉事務所があれば問題になるはずである。

また、扶助費削減への誘因があるのは事実だが、申請が増えている現状では就労指導、就労支援まで手が回らないという事務所も多い。


> 自立支援で担当者のバックアップが有る。もちろん自分で探すのもあるが、マインド面が全然違う。
> また、適正であろう仕事を紹介し保護者が自立できたら担当者の評価が上がる故に同じ公務員でもポジティブ差がダンチ。

自立支援プログラムで配置される就労支援員などが「バックアップ」をしているとは限らない。使い方は様々である。配置されていない事務所も多い。一部の(おそらくコメントした人が所属している)福祉事務所の現状だけを見て、それを一般化して語るのは適切ではない。担当が決まっているので就労自立によってそのCWの内部的な評価が上がるということはあるだろうが、そこまで能力的に手を回せないCWが多いし、経験年数も(配置されるべき数が増えていることもあり)短くなる傾向があるので、なおさら手を回せない傾向が強まっている。その意味でポジティブに取り組もうとする意思はある人は多いだろうが、実際にできている人は少数派だろう。



> >それらの対策は生活保護の範囲外で行うべきであり、生活保護は経済給付に特化し、分野毎に制度を分立する方向に進めるべきではないか
>
> 要するに君は「論理思考の頭でっかちのぼうや」だから理解できていないのだろうな。
> ママにそこ等辺よーく教えてもらうと良いよ。

外国では日本のようにあらゆるサービスを包括的に生活保護制度で手当している事例は聞いたことがない。むしろ、ブログ主が言っているように分立されている方が普通である。

現実を見ても、生活保護受給者が「自立」するときに最も不安を訴えることが多い点は医療費だろう。医療扶助だけ制度を分立していれば、そうした不安はなくなるはずである。「論理思考の頭でっかち」という揶揄によって「経験的知見に基づかない、机上の理屈」といったことを言いたいのだろうが、実際の受給者の様子を見てもブログ主の意見は採用可能である。

むしろ、福祉事務所ごとに行っている内容がことなる就労支援員などの「バックアップ」を一般化しているような人の方がよほど「ぼうや」ではないのか。
【2010/09/04 20:24】 URL | 現役ケースワーカー #- [ 編集]

Re:Re: 理屈で通れば就職難は無いだろう
拝見したが同じ公的機関に勤務する職員の擁護意見やCW自身の能力の限界に対する言い訳としか見えないのが残念だが、

>現実を見ても、生活保護受給者が「自立」するときに最も不安を訴えることが多い点は医療費だろう。医療扶助だけ制度を分立していれば、そうした不安はなくなるはずである。

この件に関しては同意するし自立ができた場合の医療扶助停止のタイミングは受給者と相談し慎重にするべきだと思う。

>外国では日本のようにあらゆるサービスを包括的に生活保護制度で手当している事例は聞いたことがない。むしろ、ブログ主が言っているように分立されている方が普通である。

どこの国を指して物事を言っているのか解らないが、「生活保護」の部分に関してはかなり厚遇されているのは理解できるが、生活保護に代わるセーフティネット(失業保険等)があまりにも貧弱すぎる点が露呈している。

諸外国(特に欧州)では「生活保護」に陥る前の状態の失業状態、あるいは老人に対しての福祉の待遇は日本の比では無く、また、日本以外の先進国の生活保護受給率は我が国よりも高いデータが出ている。

つまり、誰でも気軽に申請し、いつでも自立(労働できる受け皿が常にある)できる状態が有り、且つ、労働賃金も生活保護法が定める「最低賃金」を下回る事は無い。

>むしろ、福祉事務所ごとに行っている内容がことなる就労支援員などの「バックアップ」を一般化しているような人の方がよほど「ぼうや」ではないのか。

就労支援プログラムは既に一般化しつつある事柄であり、していない(できない)自治体の福祉事務所は水際作戦や受給強制辞退させてるのが現状であり、組織再編不備による就労支援プログラム実施遅延は言い訳としか聞こえない。

私が言う「バックアップ」とはマンツーマンで密接に関わって自立支援を行うわけではなく、「就労支援員が存在しているか、していないか」である。
その程度で十分であり、自立を希望する受給者に「一人で活動しているわけではない」ことを認識させることが重要だ。
【2010/10/04 13:15】 URL | 危ない名無しさん #mQop/nM. [ 編集]


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