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アヴェスターにはこう書いている?
本を読んでいて気になったことなどを徒然なるままにメモしておくブログ。書評というより「読書メモ」。
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小林英夫 『日本のアジア侵略』

北進の道を閉ざされ、南進の動きもまたアメリカとの全面対決をまねいたなかで、日本に残された最後の選択は、対米貿易遮断でとられた石油などの重要資源の供給地を南方に求めて武力進出することだった。(p.57)



確かに、1941年当時の日本政府の要人の多くには「最後の選択」に思われただろうが、ここには短絡がある

というのは、別の選択肢がありうるからである。つまり、ひとまずアメリカとの対立を避け、貿易遮断をやめさせる外交を展開することである。そうすればアメリカとの全面戦争は避けられた可能性がある。

その意味で、林房雄『大東亜戦争肯定論』に見られるような――そして、近年、右翼たちが積極的に主張したがっているような――「大東亜戦争は起こるべくして起こったもので、この百年間、日本が背負わされた宿命であった」などといった主張は全く妥当なものではない。

こうした言説は単なる責任逃れのための屁理屈にすぎない。

彼らは「戦争は必然的(宿命)だった→日本が自ら決定したものではない→日本に責任はなかった」と言いたいわけだが、「必然」や「宿命」だったわけではないからである。そもそも、「最後の選択」にまで追い詰められた後、それしか選択肢が採用できなかったのは、「民族的プライド」に拘泥しつつ社会経済分析がまともにできない右翼たちが政権を握っていたからである。(その状況は現在の安倍政権も同じである。)

一般に右翼たちが社会経済分析ができないことは、近年の論者たちや政治家たち、さらにレベルが低いところではネット右翼たちの言説を見ていればよくわかる。彼らは社会や政策を語るときにも、常に精神論を用いて説明するからである。(つまり、「○○の精神(モラル)が欠けている」とか「道徳心を養う」のが問題だという類の言い方をして、分析なしに問題を片付ける。)

要するに、本来は客観的な社会経済分析によって説明しなければならないところを、自らに説明できないことをすべて精神や心の持ちようの問題として説明して回避してしまう。その結果、導かれる対処のための処方箋は「戦車に竹やりをもって立ち向かう」という精神論にならざるをえない。精神が問題なのだから精神を叩きなおせば解決されるという発想になるからである。
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テーマ:読書メモ - ジャンル:本・雑誌

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