アヴェスターにはこう書いている?
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小林一郎 『目利きの東京建築散歩 おすすめスポット33』

 明治維新の翌1869年(明治2)年、銀座が大火に見舞われ、その三年後にもさらに広範囲に焼けつくす大火に見舞われた。この苦い体験を踏まえ、明治政府は火災に弱いこれまでの木造建築を排し、不燃化の街づくりを模索。文明開化の象徴も兼ね、英国にならったレンガ造りの街並みづくりを進めた。学校の教科書などにも掲載されているのがこの街並みだ。
 大規模な区画整理を断行して、力ずくで強行したこの赤レンガの街並みは関東大震災によって崩壊し、皮肉にも地震に対する弱さを露呈させる結果となった。(p.64)


明治時代には火事で町が焼けるということがよく起こっていたようだ。小樽の歴史を調べたときにも同じパターンが見られた。小樽の場合は、赤レンガではなく木骨石造の建築が建てられることになったのだった。また、関東大震災も日本の建築の歴史上において極めて重要な画期となったものであることが建築の歴史から見えてくる。



 この秋葉原の電気街は、戦後、行きどころのなくなった人々がバラックを建て、その後、多くの露天商が集まったのがはじまりで、当時、国民協同党で書記長、中央委員長を務めた三木武男(のち、自由民主党総裁・首相)たちが進めた協同組合思想が結実した街である。
 三木の協同主義というのは、農民や都市の中小企業を中心にして協同組合を立ち上げ、これによって日本を近代化、合理化し、国民の生活向上を図ろうとするものだった。この協同主義に共鳴した露天商が「屋根の下で商売できるように協同主義でやります」と組合をスタートさせ、秋葉原電気街を誕生させたのだ。協同主義は消費者重視の主義でもあり、幹は首相になってから、独占禁止法の改正に取り組んだ。とはいえ、行き過ぎとの批判を受け、譲歩を余儀なくされた経緯もある。(p.88-89)


このような街の歴史を知るのは面白い。そして、こうした歴史を知りながら街を歩くと新たな発見ができそうな気がする。



 アーケードは、古い木造建築も現代のカーテンウォールのビルも、みな一緒くたに力ずくで(力強く?)肩を組むようにアーチでつなげてしまう。(p.145)


近頃、アーケード街には批判が高まっているようであり、本書もそうした傾向がある。デパートの台頭に対する商店街の対抗策としてアーケード街が登場してきたことと、デパートの没落の時代にアーケード街への批判が高まりアーケード街の解体の方向が志向されることとは関連があるように思われる。



 この倉庫建築は外国映画を見ても似たような情景で、そのボリュームと無表情さはどこも同じだ。ということは、庫建築は世界各国一緒、つまりインターナショナルな建物なのである。だから、飾りけのない無表情な姿にどこか外国のにおいを感じるのだ。
 その無表情なインターナショナルスタイルの倉庫建築が、レンガ造りでつくられるとまた異なった味わいが生まれてくる。(p.163-164)


なるほど。さらに倉庫は港町に多いと思われる(横浜、函館、小樽、舞鶴などが想起される)ので、なおさら異国情緒が漂うわけだ。



 鉄道会社が新たな路線を開発する場合、グループ会社が事前に安価な値段で周辺の土地を取得し、その後鉄道を通し、値の上がった土地を売却する、あるいは宅地を造成し住宅建設をする。いわば、不動産業と一体になった開発となるのだが、新設する駅には「○○ヶ丘」や「○○台」というような名を付けたり、「○○学園前」という名の駅を設けることがある。一方は、高台であることを表し、暗に、水の被害などがないことを示す。もう一方は文化の薫り立つ知的な町を表現している。これらは、路線全体のイメージアップ、高級化に繋げようというものだ。(p.176)


面白い。地名からその土地の歴史を知ることができることがあるが、こうした新しい地名にも由来があるものなのか、と納得。

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