アヴェスターにはこう書いている?
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田村喜子 『北海道浪漫鉄道』

 北垣は拓殖務省次官を拝命して以来、北海道と台湾を車の両輪にたとえて、北海道だけでなく、台湾の行政にも心血を注いできた。台湾は日本がはじめて所有した領土であり、この統治は世界注視の的にもなっていた。従って予算面で台湾にウェイトがかかるのはやむを得ないとしながらも、北垣は北海道長官時代にうち出した北海道拓殖各事業をおろそかにはできない。(p.112)


北海道と台湾の関係に最近少し興味を持っているのだが、北垣国道もこれらの地域に関心を持っていたということか。北垣と台湾の関係はウェブでちょっと検索した程度では出てこない。京都や北海道のように知事や長官を務めるといった形での関与はなく、単に関心を寄せていたということだろうか。



明治初年のころは、小樽の鰊漁場では春の漁期になると、人手が足りなくなるものだから、網元の親方たちは道外から漁夫を募集したそうだ。ところがたいていは東北地方の貧農が給金の半分を前渡して連れてこられた俄か漁夫だ。最盛期の漁期には昼夜の別ない過重労働で、しかも慣れない仕事だろう。余りの辛さに逃亡をはかるものが続出したそうだ。しかし網元の方じゃ、前金で集めた漁夫だからね。逃亡を防ぐために厳重な監視をしていたっていうことだよ(p.156)


安い労働力を徹底的に使い倒すやり方自体は、派遣労働が一般化した昨今のワーキングプアとかなり近いものがある。資本のグローバル化が進展していく時代に共通の現象。



 タコ部屋の非人道的行為は、明治三十四、五年ごろから北海道鉄道だけでなく、道路、港湾、排水工事現場、そのほか猪苗代水力電気工事、鬼怒川水力電気工事、足尾銅山などでもエスカレートしていたが、その実態の一部がはじめて世間に晒されたのは明治四十一年のことで、それまでは一般社会からは完全に隔絶された別社会だった。従って朔朗たち鉄道敷設の当事者でさえ、そうした実情を知ることはなかった。逃亡者を草の根分けても捜し出し、みせしめのリンチを加えたのも、彼らの口から実態が世間に洩れるのを極度に警戒したからであった。
 タコ部屋制度は昭和二十二年に労働基準法が公布されるまで、隠然と続いた。(p.160)


こうした非人道的な状態は次第に改善されてきたのだが、グローバルな金融自由化が進むと、逆方向への圧力が高まる。もともと賃金が低く、貧しかった地域で、かつ、労働力が豊富な地域(例えば中国やインドなど)では賃金の上昇が起こるが、いわゆる先進国(世界システム論における中核)では労働者の生活は基本的に悪化する。



 徳川家康以来の関係で親幕派とみられていた東本願寺の門跡厳如上人光勝は、維新後新政府に対して異心のないことを証明する意味で、北海道の新道開削、移民奨励、教化普及を出願した。(p.178)


宗教団体の政治性を示す事例の一つ。


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