アヴェスターにはこう書いている?
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北海道新聞空知「炭鉱」取材班 編著 『そらち炭鉱遺産散歩』

 明治30年代半ばごろには道内石炭生産量の9割以上を北炭が占めていたという。その他は比較的零細な炭鉱企業だった。
 その後、当時国内最大の石炭生産地であった九州の筑豊炭田を中心に採炭していた三井、三菱、住友の財閥系炭鉱資本が良質炭を豊富に埋蔵する道内炭田に注目し、開発に着手し始める。(p.34-35)


日本の明治以降を考えるとき、石炭の果たした役割の大きさというものは、少し重視する必要があるように思われる。

私は小樽に着目したところから空知の炭鉱にも若干の関心を持つに至り、本書を手にしたのだが、そこから当時のエネルギー政策や産業の状況等へとつながるところが見えてきたし、また、こうした財閥の動きなどから金融や資本の動きとも結びつくところが見えてきた。世界的に見るとミクロな動きに過ぎないのだが、そこからマクロな動きも見えてくるところがこうしたエリアスタディーズ(地域研究)の面白いところである。



 時の政府による戦争遂行を地の底で支え、多くの犠牲者を出した空知の炭鉱。その歴史の検証は戦争と平和を考える上で、将来とも不可欠だ。しかし、旧炭鉱地の多くが、博物館など炭鉱の歴史を紹介する展示施設を持つが、強制連行・労働の史実に触れる施設はごくわずかしかない。(p.318)



ここでの「強制連行・労働」とは、第二次大戦中に朝鮮人や中国人が空知の炭鉱に騙されたり誘拐されたりして強制的に連行され、強制労働させられた事実などを指す。

不必要に憎悪を掻き立てる必要はないし、そのようになることは逆効果とも言えるのだが、事実を客観的に伝える努力は行うべきだろう。特に北海道の歴史には、日本の他の地域より暗部は多いように思われるので、このような努力は重要ではないか。

「不都合な真実」は闇に葬り去るのではなく、できる限り客観的に叙述し、過去の過ちを繰り返さないための教材とすべきであろう。

このための具体的な方法論を、歴史叙述に関わる人々や教育者、研究者はもっと考えていかなければならないのではないだろうか?

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