アヴェスターにはこう書いている?
本を読んでいて気になったことなどを徒然なるままにメモしておくブログ。書評というより「読書メモ」。
プロフィール

ツァラトゥストラ

Author:ツァラトゥストラ
「ツァラトゥストラはこう言っている?」の姉妹編。日々読んでいる本から気になった箇所をピックアップして自由にコメントするブログ。

FC2ブログランキング

FC2ブログランキング

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

荒巻孚 『北の港町 小樽――都市の診断と小樽運河――』(その2)

 これらの建造物は明治以前、何らのみるべき施設もない未開の土地に入ってきた商人たちが、その後手にした豊富な資金を使って建てたもので、当時としては最高の建築物であった。そのため、小樽の町々を歩くことは日本近代建築史を、そのまま見るようだとよくいわれている。(p.144-145)


前段はやや誇張しすぎという感じもするが、小樽の町並みが日本近代建築史を見るようなものであるという指摘はそれなりに的確な部分があるし、小樽が現在、観光都市としてある程度までの成功や知名度を得ている所以でもあるだろう。



 また、小樽付近に適当な石材が多かったことも、石造り建築が発達した大きな理由であった。(p.148)


小樽の古建築(特に倉庫)の多くは「安物」である。植民地の商業拠点に設けた出張所のようなものである。石材が地元産であるということも、それを示す一つのメルクマールであるように思われる。



 この建物の特徴的なことは、石という古い素材を使って洋風に建てていることや、古来の日本建築の技法を生かしてつくられていることである。このほか保管庫としての石蔵(文庫蔵)や、降雪時に雪囲いの役割を果たしたと思われる飾り袖など、小樽独自の建築様式がみられることも、きわめて貴重なものといわなければならない。
 こうした、石造り建築物は明治30年代以降のものが多いが、これは焼失戸数が2000戸をこえる明治37年の小樽中心街の大火をきっかけとして、盛んにつくられるようになったからである。また、建物の屋根には瓦をつかったものが案外多い。瓦は四季の寒暖の差が大きく、しかも雪が屋根につもる北海道のような気候風土のところでは、あまり適したものとはいえないが、水産物を本州に運搬した帰りの空船が、そのバランスをとるために瓦を載せてきたことが、瓦屋根を使うきっかけとなったらしい。瓦のなかには石見(いまの島根県)のものもあり、かなり遠くから運ばれてきていたことが知られる。(p.149)


小樽の石造(木骨石造)建築の特徴を比較的短くまとめているので抜粋してみた。



 このように、地名一つにしても町の文化遺産として重要である。地名が名づけられた経過についても良く調べ、その付加価値を高める努力をしなければならないだろう。(p.154)


興味深い論点である。



 運河の主たる目的である人工の航路として盛んに建設され、利用されるようになったのは、いまから200年ほど前のイギリスの産業革命以後ということになる。しかも、今日では大規模運河を除いて、中小の運河は鉄道や自動車にその機能を奪われ、人工航路として水運に利用されているものを見かけることはほとんどない。(p.170-171)


運河は、古代から存在するが、その多くはいわゆる近代化とともに使われ、現代に至っては鉄道や自動車に取って代わられている、まさに「近代化遺産」である。

本書は1984年の古い本だが、逆に、古いからこそ今の論者とは少し異なった視点から物がかかれており、面白いと思える点が結構あるように思う。

スポンサーサイト

テーマ:読書メモ - ジャンル:本・雑誌

この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
→http://zarathustra.blog55.fc2.com/tb.php/645-b400b793
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)