アヴェスターにはこう書いている?
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白井恭弘 『外国語学習の科学――第二言語習得論とは何か』(その2)

 インプット(聞くこと・読むこと)を理解するには背景知識が重要になります。ただでさえ、外国語を理解することは難しいのですから、日本語でもわからないような教材を使ってもむだです。ですから、自分で学習教材を選ぶ時には、自分の興味があってよく知っている内容を、読んだり聞いたりするといいでしょう。(p.164)


こうした点からもサブカルチャーやポップカルチャーに関心がある人は教材を探しやすくてよいのだろう。私が中国語を学ぶ場合、なかなか適した教材がないのが問題である。社会科学や歴史学などに関心があっても、中国はこれらがあまり良好な状態ではない。マックス・ウェーバーなど私が比較的熟知している学者の古典的なテクストの翻訳書は結構入手しているのだが、これを読んでどれくらい勉強になるのか、ちょっと試してみたいところではある。

ただ、英語なら時事的なニュースでも関心が持てるものが探せるので学習しやすそうだ。



 リスニングは、聞いても20パーセントしかわからないような教材を聞くより、80パーセント以上わかる教材を何度も聞いたほうが効果があります。インプットを理解することが言語習得のカギですから、わからないものを聞いても効果は低いのです。(p.165)


繰り返し聞くというのも一つのポイントと思われる。これがなかなかできていない、というか、適切なレベルの音声教材が少ないのが現状である。最近はネイティブの友人が送ってくれた童話の朗読の音声ファイルを使っているが、こうしたものはなかなか得がたいので、今後どうしていくかが課題だろう。



 第二言語のデータベースを増やし、自然な表現を身につけるために、特に母語と第二言語の距離が遠い場合は、よく使う表現や、例文、ダイアローグなどを暗記することが効果的でしょう。単文を暗記しても良いですが、それだと一文以上の情報を司る談話能力や、社会的に適切な表現を使うための社会言語額的能力が身につかないので、ダイアローグの暗記のほうが効率がよいと思います。(p.167-168)


語学の力が超低レベルの場合は単文暗記をある程度やるのもそれなりに効果があるのではないか。長すぎるものは覚えにくそうなので。大学で使っているテキストをもっているのだが、それはダイアローグの暗記には使えそうだ。



 アウトプット(話すこと・書くこと)は、毎日少しでもやるべきです。……(中略)……。
 日記をつけたり、ひとりごとをテープに録音したり、外国語学習の仲間と電話で話す、学校や、英会話喫茶などに通う、インターネットでチャットをする、など。また、インプット教材を聞いたり読んだりしたあとに、その内容について何か外国語でコメントをするのも効果的でしょう。そうすると、インプットのときの処理レベルが高まるはずです。(p.168)


以前、中国語の先生からは音読をすると良いと薦められ、できるだけ毎日行うよう心がけており、それなりに効果的な学習法だと思っている。音読はインプットとアウトプットの両方をやっている形にはなるからなのだろう、と今は考えている。ただ、アウトプットは発音などの自動化のためのアウトプットが主体であって、自分で文章や考えを構成するものではないから、その点が弱いかも知れない。文法などにもう少し意識しながら音読することのほか、何かアウトプットをする習慣をつけた方がいいのだろう。

たまにネイティブの友人とチャットをしているのだが、これはかなり効果がある。頭の中でリハーサルをする癖はだいぶついてきているのがわかる。外国語で毎日コメントをするというのもなかなかよさげだ。毎日、何を勉強したかブログやツイッターなどでつぶやいてみるのもやってみる価値があるかもしれない。



しかし、外国語の単語を覚えるのはとても大変です。じつはこれが大変なのは、母語と外国語のつながりに、ほとんど意味がないからです。……(中略)……。ですから、単語を覚えるときは、なんとか自分の持っている知識構造と関連づけて、有意味学習をする必要があります。……(中略)……。日本語教育で、初級の学生にひらがな、かたかなを教えるのに、絵を使って覚えさせる教材がありますが、これも、使わない場合に比べてずっと早く覚えられることが実験でわかっています。
 単語を、文脈の中で覚えるようにするのも、そのひとつです。(p.170-171)


単語をイメージを介して覚えるというのは確かに効果があると思う。これの効用は単に覚えやすいというだけではなく、外国語の単語が直接イメージに変換されるようにすることで、母語を介さずに「直接的な理解」する習慣が形成されるところにあるように思われる。

また、文脈の中で覚えるというのは、単文やダイアローグの暗記によって行うとよいのではなかろうか。中国語の場合、日本語と語彙がかなり重複しているものが多いので、割と有意味学習がしやすいので覚えやすい。ただ、声調は無意味学習になるので覚えにくい。これを有意味学習にする方法はあるのだろうか?あれば是非やってみたいところである。今のところ音読によって体に浸み込ませるしかない、というのが私見である。つまり、単文やダイアローグ暗記の際に音読しながら覚えるしかないのではないか。



 音声に関しては、難しい発音の仕方(とくに日本語にないlとr、bとvの区別など)は、確認しておき、意識すればできるようにしておきます。練習としては、意味、構文をすでに理解しているテキストのテープを使って、発音、リズム、イントネーションなどできるだけ正確にまねて何度もリピート、もしくはシャドウイングをするといいでしょう(シャドウイングとは、外国語の音を聞きながら、少し遅れて同じように言う練習のこと)。音読も効果があるでしょう。(p.173-174)


まずユニットである音節は「意識すればできる」状態にしてから、既知の文章を真似しながら声に出して繰り返し読む。これは実践しているかも知れない。かなり効果がある方法である。一つ前の引用文に対してつけたコメントの考え方でよいということだと解釈している。



 また、完璧な発音を目指しても、大人の学習者の場合、完璧な発音を身につけるのはほぼ無理だ、ということも意識しておくべきです。ただ、日本人英語でいい、通じればいい、といって最初から目標を下げておくと、それさえ達成できないでしょう。ですから、目標は高く努力し、なるべくターゲットに近づける、そしてそれができなくても、がっかりせずになるべく模倣する、という現実的なアプローチが大事です。(p.175)


正論なのだが、完璧にはできないとわかりながらそれに近づくことを目指し続けるというのは、相当のモチベーションを必要とするように思う。



 それから、発音については、個々の母音や子音に注意が行きがちですが、実際母語話者にとってわかりやすく、不快に感じない発音という観点からいくと、イントネーションとかリズムの方が個々の音の発音よりも重要だという研究結果が大勢を占めています。(p.175-176)


これは銘記しておきたい。これは「お手本」に忠実に、繰り返し声に出して読んだり、実際に会話する中で身に着けていくしかないように思う。



 文法は、基本的なもの(たとえば英語なら中学から高校一年程度のもの)について、文をつくれるレベル、つまりアウトプットできる程度までマスターしておくとよいでしょう。さらに、インプット理解のために、もう少し高度な文法も余裕があれば。
 ただし、説明を読んでも理解できないような難しい文法は無視してもかまいません。(p.176)


中国語の場合、どの程度の文法なのだろう?



 授業の中心となる活動は、その日に導入された文法項目を使った学生どうしのインタビューです。会話内容は、自分のことや、クラスメートのことで、友人、出身、趣味、家族、授業、先生、自分のアパート、冬休みの予定、などについて、お互いにインタビューし、インタビューで得た情報をノートにメモしておいて、宿題でクラスメートや自分のことについて書く、というものです。
 各課ごとに、よく使われる構文・表現が多数はいったダイアローグがあり、それを暗記して、言語のデータベースを増やします。評価も重要なポイントで、学期末試験の一部として実際に15分の会話をさせ、それが成績の10パーセントを占めています。学習者は学期末には15分話せないといけないことがわかっているので、リハーサルをするようになるでしょう。(p.181)


かなり効果がありそうな授業である。インプットを与えて、それを実際に使ってインタビューし、その内容について書くことによってもアウトプットしなければならず、また試験でもアウトプットの必要性が意識されるようになっているため、「インプット理解とアウトプットの必要性」の両方を充足する授業が行えるわけだ。

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