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アヴェスターにはこう書いている?
本を読んでいて気になったことなどを徒然なるままにメモしておくブログ。書評というより「読書メモ」。
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マーク・ブキャナン 『歴史は「べき乗則」で動く 種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学』(その1)

今あなたが、好きなように自分の体の大きさを変えられる存在だったとしよう。……(中略)……。あなたがナシの大きさだったときには、自分と同じ重さの破片一つに対して、その半分の重さの破片は約六個あった。ところが自分が縮んだ後でも、まったく同じ規則を発見する。再び、自分と同じ重さの破片一つあたり、その半分の重さの破片が約六個あるのだ。どんな大きさでもまわりの景色はまったく同じに見えるので、もし自分を何回縮めたか忘れてしまうと、まわりを見ただけでは自分の大きさがまったく分からなくなってしまう。
 これが、べき乗則の意味するところである。(p.74-75)


ジャガイモを壁に投げて破片が粉々になるが、その破片の重さには重さが二倍になるごとに破片の数が約六分の一になるという規則性が見られるという。その例を用いて「べき乗則」によるスケールフリーの意味が説明されている。分かりやすい説明なので何かに使えそうなのでメモしておく。



このゲームは結晶成長の様子を表わすものであり、粒子の付着する規則が不可逆になると、本質的な偶然とともに歴史が姿を現わすことになる。あらゆるささいな偶然は、成長しつつある構造に、それ以来永遠に消し去ることのできない影響を残す。したがってこのゲームを二回行なっても、あるいは100回行なっても、まったく同じ結果は決して得られない。それでも、生じてくる複雑な構造は必ず同じある性質をもっている。(p.97)


ある非平衡状態(臨界状態)においては、小さな出来事が重要な役割を果たし得るが、それは偶然的なものであり予測不可能であるが、同時にそこには規則性もある。出来事の積み重ねが偶然性と規則性の両方を持ちうることについての分かりやすい説明。結晶の事例。



 スケールに依存しないというべき乗則の性質は、大規模な出来事は小規模な出来事を単に拡大したものにすぎず、それらは同じ原因で発生することを示している。(p.150)


大事件の原因を説明する際、われわれは大きな原因があることを予想し、それがなされないとなかなか納得できないことがあるが、それは思い込みであり、小事件と同等の小さな原因から大きな事件が起こりうるという指摘。興味深い。

台湾の歴史で228事件というのがあるが、闇タバコ売りの女が中華民国の官憲によって摘発され、暴力などを受けたという「小事件」がきっかけとなり、それが中華民国政府への抗議行動となり、それが瞬く間に台湾全土に飛び火し、中華民国側の軍事行動により鎮圧され、約28,000人が死亡ないし処刑されたという大事件になった。この闇タバコの摘発という小事件が大事件を引き起こしうるということ。ただ、その背景には「臨界状態」と言える状況(台湾の中華民国の統治の荒廃ぶりや中国からのインフレの波及などによる民衆の不満)があったことについて説明することが必要になるだろうが、このように理解することで、それぞれの「原因」の種類ないし役割を明確に理解できるようになるだろう。

本書で展開されるこの考え方は、マックス・ウェーバーの方法論についてスティーブン・コールバーグが『マックス・ウェーバーの比較歴史社会学』で述べている方法論とも通じるように思われ、ネットワーク研究とウェーバー研究が交差する地点として個人的には大変興味深い。



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