アヴェスターにはこう書いている?
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伊藤潔 『台湾 四百年の歴史と展望』(その1)

 スペインの台湾占領は短かったが、この間に北部開発の労働力として、中国からの移民を招来し、先住民とともに開墾・開発にあたらせ、ことに台北近郊の北投における硫黄の採掘に力を入れた。硫黄の採掘は、台湾北部の開発に先鞭をつけたといえる。また、先住民や移住民に対するカトリック布教のために、『淡水語辞典』を編纂し、布教医療としてのマラリアの治療を通じて、西洋医学の知識をもたらしたことなど、南部のオランダによるキリスト教の布教と同様に、台湾の文化史の上で大きな意義をもつ。(p.21)


台湾の歴史というとどうしてもオランダによる南部支配に重点が置かれがちであるが、スペインの動きにも興味深いものがある。北投には温泉があるはずだが、硫黄がとれることと関連があるのが見えて興味深い。また、キリスト教布教と言語、医療の関係も興味を引かれる。ヨーロッパ諸国による植民地におけるキリスト教布教には政治的な意味があると思われる。共通の道徳観念を持つことにより、統治しやすくなる面があることや教会組織を通じた情報の流通などもその役割だし、互助組織として活用することで福祉行政的な意味合いも教会にはあったものと思われる。言語も医療もこうした側面と関連がある。




 反清復明を国是とする鄭氏一族が台湾に移ると、清国政府はすぐさま台湾に対する封鎖を断行した。「遷界」と「海禁」である。遷界は広東、福建、浙江、江蘇、山東沿岸五省の住民を沿岸から30里(清代の一里は576メートル)の内陸に移し、この間での居住や農耕はもとより立ち入りを禁じ、海禁は漁船や商船の出入港を禁止したものである。ところがこの封鎖政策は、かえって中国との密貿易を必要とさせ、台湾の海上貿易の発展をいっそう促した。台湾は台中貿易の一大拠点となり、貿易の利益は増大した。また、皮肉にも封鎖政策に苦しむ中国沿海ことに福建、広東の住民が、ぞくぞくと台湾に移り住み、台湾の人口増加の一因となっている。(p.31-33)


海禁政策の意図せざる結果。この場合は単に「意図せざる」というより、逆効果が大きいため、政策の失敗というべきかもしれない。

台湾の歴史について書いている書物では、清はほとんどの場合、否定的に評価されたり、否定的なイメージで捉えられることには注意しておく必要がある。


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