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アヴェスターにはこう書いている?
本を読んでいて気になったことなどを徒然なるままにメモしておくブログ。書評というより「読書メモ」。
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酒井亨 『哈日族 なぜ日本が好きなのか』

 蒋介石から蒋経国への親子の権力継承、狂信的なイデオロギー、秘密警察による住民監視と統制、言論の自由の圧殺など、この時期の国民党政権の行為は、現在の北朝鮮と何ら変わらないものだった。共産主義を憎むといって、言論や思想を統制して、多様性を認めなくなった時点で、実は自らも共産主義と同じドグマに陥っただけのことである。これは、最近日本の過度の「北朝鮮バッシング」風潮についても教訓となることだが。(p.34-35、強調は引用者)



全く同感である。

 事実、朝鮮半島やベトナムも含めた中華圏の文化は、実は長江の南北の違いが大きくて、むしろ朝鮮は華北と大きな違いはないという、日本の言語学者・橋本万太郎や文化地理学者・諏訪哲郎らの重要な指摘がある。(p.206、強調は引用者)



私見では、この相違はアルプス以北と地中海世界との違いに似ているように感じる。興味深いので、今後、掘り下げていく価値がありそうだ。


グローバル化の進展や各国の経済発展は、好むと好まざるとを問わず、異文化への偏見を減らし、とにかく目新しいものを受け入れていく方向に進むだろう。(p.219)



台湾における近年の哈日現象は、グローバル化の中で人や文化の往来が活発になったことによる現象だと著者は見ており、これには私も同意できるが、今後もこうした融合は進むとする見方はやや楽観的に見える。

物質と金融の動きがグローバル化することで、国内と国外の利益の共通性が崩れ、グローバル化により利益を得やすい階層や業種とそうでない階層・業種の分化がどこの国内でも進んでいく中で、国民統合のための原理としてのナショナリズムが高揚し(為政者らにより利用され)、保守化や排他主義が進む傾向が他方にあるからである。それが何かのきっかけでそれが暴走を始めれば、こうした文化交流に対しても否定的な流れが出てくることはありうる。

従って、単純に異文化の交流が促進されるというよりは、商品化されやすく、さらにそれらのうちで受け入れられやすいものが選別されて、相互に浸透するという程度に限定されることが多いのではなかろうか?もちろん、日本(と北朝鮮?)以外の地域については、相互の交流は今よりは深まる可能性は十分あるとは私にも思われるが。



(日本の右派がやたらと「誇り」それも「日本人としての誇り」にこだわることや、彼らがサヨクとみなす人びとが、戦争責任の問題に関しては基本的に「日本が悪い」とすることに対して異様なまでの執拗さで反対しようとすることにそうしたナショナリスティックな保守的排他主義が現れていよう。

かつて、日本は中国や韓国やその他のアジア諸国の中で図抜けて高い経済力を持っていたが、その差が次第に縮まりつつあり、国際政治におけるプレゼンスも低下していると感じられる中、「既に強い存在であった日本」に自らを同化させ、その「日本=自分」が悪いということは認められず、かつ、「日本=自分」が保っていた地位による優越感を失いたくない、という動機が日本の右派の「反サヨク」的な言動を動機づけているのである。ちなみに、日本の右翼は特定の中身がない「反左翼」でしかないとしばしば言われるのも、こうした点を見てのことであろう。

私としては、そうした右派の連中に対しては、最低限、[行政組織としての]政府と[想像上の擬似共同体でしかない]国家との区別くらいはしておけ、と言わせてもらいたいところである。)
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