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アヴェスターにはこう書いている?
本を読んでいて気になったことなどを徒然なるままにメモしておくブログ。書評というより「読書メモ」。
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エミール・マール 『ヨーロッパのキリスト教美術 上』

もう少しよく歴史を知っている私たちは、我が柱頭の怪物どもを、あの大学者のように笑うべきものとは判断しない。逆にそれらは、すばらしく詩的で、何千年もの間に次々とそれを伝えた四つも五つもの民族の夢で満ち満ちているように――事実そうなのだが――見えるのである。それらは、ロマネスク教会に、カルデヤとアッシリヤ、アケメネス朝のペルシャとササン朝のペルシャ、ギリシャ系のオリエントとアラブ系のオリエントを、導入しているのである。アジヤの全体が、キリスト教社会にその贈物をもたらしたのである。あたかも、その昔マギたちが聖子に贈物をしたように。(p.121)


ロマネスクの柱頭彫刻が中東からもたらされたものに依存していることを的確に指摘している。ただ、「キリスト教社会」を「西欧」と結び付けている点などは、中東社会を知らないことを露呈しているし、それは同時にキリスト教はもともと中東の宗教であることなどを等閑に付している点で「ヨーロッパ中心主義」的であるという批判は避けられない。しかし、そうではあっても、ロマネスク美術を「西欧」の発明品とする以上に中東の文化を継承したものだとする見方は重要である。

興味深いのは、12世紀にはロマネスク美術がトゥールーズやモワサックなどの南仏で大いに繁栄していたことであり、フランスで13世紀のゴシックが過ぎ去った後、14~15世紀には再びイタリアやビザンツからの影響が色濃くなることである。13世紀には北部もある程度の文化的自律性を示すことが出来たが、それは13世紀世界システムに接続されたサブシステムとして機能することが出来た限りでしかなく、「中東心臓部」から切り離された途端に、文化的自律性は失われていったと見ることができる。

なお、「文化的自律性」といっても確固とした固定的なものではなく、その都度、システムの閉域を形成しつつあるような、進行中には未決定のものであるという点には一応断っておこうと思う。
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