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アヴェスターにはこう書いている?
本を読んでいて気になったことなどを徒然なるままにメモしておくブログ。書評というより「読書メモ」。
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「ツァラトゥストラはこう言っている?」の姉妹編。日々読んでいる本から気になった箇所をピックアップして自由にコメントするブログ。

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ミシェル・パンソン、モニク・パンソン=シャルロ 『パリの万華鏡 多彩な街の履歴書』

自分があまりなじみのない空間を体験することは、社会学の基礎ともいえる経験である。それだけでも、実際に街の中を移動する価値がある。本書の行程は、そうした刺激的な出会いへと誘うのである。(p.344、強調は引用者)



最初の一文に強く共感した。馴染みのない空間を体験することが、自らが馴染んでいるものを浮彫にすると同時に、馴染みのない空間に対して知ろうとする刺激を与える。

そして、その体験は「社会学の基礎」であると著者たちは言っているが、学問としての社会学のみならず、思考による秩序付けを伴うあらゆる社会認識にとって、極めて重要な要素であると私には思われる。

私が世界各地を旅行することは、こうした作業を行うことであると考えている。

ちなみに、余談になるが、この点は「旅行」という行為について他の人びととなかなかコンセンサスが取れないところでもある。他の人たちがイメージする「旅行」と私がする「旅行」との間には、埋めがたい溝があると感じることが多いのだが、これを他人に理解できるように説明することはなかなか難しい。

私にとっての「旅行」は、少なくとも一つの側面として「なじみのない空間を体験する」ことによって「社会学の基礎」にしようとするスタンスが含まれている。一部のバックパッカーなどの長期旅行者には、これに近いスタンスや(学生などでは)実存主義的とも言えるような「自分探し」的な要素を盛り込んでいる人も見受けられ、そうした人とはある程度共有できるものがあるが、こうしたスタンスを含まないで「単に有名な場所に遠出して楽しむこと」くらいの考えの人には、どうも理解できないようだ。そうしたことが「ありうる」ということさえ想像できないらしいので、説明が不可能となってしまうわけだ。

まぁ、そうした人の「旅行」を全否定するつもりはない。ただ、「同行したくない」とは思うようになった。そうした旅には、深みがなく、底が浅いと感じるからであり、それだけでは満足できないと感じるから。

さて、次の引用文に進もう。

各章の最初の部分を読むことで、現場での移動がかなり効果的になるはずである。他の者がそこでなにを見出したかをあらかじめ知っておくことで、散策者は、錯綜した意味をもつ記号の森の中で迷うことはなくなるだろう。(p.345)



本書を読んでパリを散策すれば、読者はよりよい調査員たりうる、ということを著者たちは言っているわけだ。

このことは上で述べてきた旅行に関しても当てはまる。事前に旅先についての調査をすることによって、現地で見えてくるものが違ってくる。そこに隠された見えにくい秩序が見えてくる。だから、私は旅行前に文献を中心に、現地の歴史や文化や社会のあり方、経済や政治的な状況などを調べていくことにしている。一つの地域に行くために、40~50冊程度は本を読んでから行っている。今回のフランス旅行でも主にフランスに関する本を50冊程度読破してから行く予定である。そして、本書もその一つである。(最近数ヶ月について、このブログにも、やたらとフランス関係の著作が多くアップされているのはそのためである。)
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