アヴェスターにはこう書いている?
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シルヴィア・ボルゲージ 『セザンヌ 光の体現者』

1871年1月5日、プロイセン軍はパリ砲撃を開始し、首都の状況は一挙に緊張の度を加えた。食料の備蓄は底を尽き、飢えと伝染病がパリ中を覆った。マネは妻に宛てた手紙の中で、食料が欠乏し、彼らは猫、ねずみ、犬を食べ、運の良いほんの少数の者だけが馬肉にありついている有様だと書いている。その間、ロンドンではモネとピサロは頻繁に会っていたが、イギリスの絵画、とりわけJ.M.W.ターナーとジョン・コンスタブルの作品は、彼らの芸術に重要な影響をもたらした。(p.48)


1870年からの普仏戦争により、モネやピサロはイギリスに逃亡し、彼の地で新しい影響を受けることとなった。セザンヌは南仏のレスタックに避難し、その地の自然と地中海の光を発見した。戦争は社会に大きな変化をもたらすが、絵画の世界にもそれは波及していることがわかる。



 セザンヌはなぜいつも肖像画、静物画、風景画という同じ主題に戻るのであろうか?おそらくこれらの主題そのものがとくに問題の核心なのではなく、むしろ、自然の単純な模倣から逃れたいからなのだと思われる。セザンヌの目指したものは内的なヴィジョン、「純粋なる」絵画だった。芸術が徐々に概念的なものへと変貌していったのは、多くの点でセザンヌに負うところが大きい。(p.78)


写実的な絵画の手法はかなりの程度開発され尽くし、写真や映画が登場し始めた時代である。

帝国主義的な資源獲得競争とそれの原動力となっている金融資本の強大化があり、金融資本の強大化により投機的なマネーが増大しつつあった時代である。そして、絵画にも投機的なマネーが投入されはじめ(美術蒐集家が登場し、有力な画商が台頭し――現代の金融危機が始まる直前の絵画オークションの盛況を想起されたい!)、絵が売り物となるためにも「何か新しいものsomething new」が求められていた時代である。

こうした背景もまた「概念的な芸術」の登場を促したように私には思われる。

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