アヴェスターにはこう書いている?
本を読んでいて気になったことなどを徒然なるままにメモしておくブログ。書評というより「読書メモ」。
プロフィール

ツァラトゥストラ

Author:ツァラトゥストラ
「ツァラトゥストラはこう言っている?」の姉妹編。日々読んでいる本から気になった箇所をピックアップして自由にコメントするブログ。

FC2ブログランキング

FC2ブログランキング

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

工藤泰志 編 『言論ブログ・ブックレット 私ならこう考える――有識者の主張011 三年連続で実施した日中共同世論調査から明らかになった 中国人の日本人観 日本人の中国人観』

 中国の場合を見てみると、多くの人が自国のメディアを客観的ととらえていることがわかります。59.7%の人が「基本的に客観的」と答えています。しかし学生調査では35.1%にとどまっており、メディアの客観性に対する認識については、一般的な国民よりも慎重な姿勢がうかがえます。(p.32)


中国におけるこうしたメディア観は、このブックレットで扱っている世論調査で、中国の方が日中関係の改善などについて政府の方針に従って大きく振れやすいことと関連していると思われる。

私が各国を旅行して歩いた印象から言うと、ロシアや中国の人々は外国から見た自国についてのイメージなどをよく理解していないように感じられた。どちらも政府の意向がメディアにかなり強く反映されているのだが、それに対して疑問を抱いている度合いが少ないという印象である。中東などもそうした情報統制はあるのだが、中東諸国の人々はそれがコントロールされたものであることを自覚しているのに対し、中露の人々はその自覚が弱いと感じている。一言で言うと、これらの国では人々の世界観が閉じている傾向が強い。これが私が訪問した際の印象であったが、それとも関連するアンケート結果であるように思われる。

つまり、これは外部から見た視点に立ち難いということであり、それだけ自らの視点が絶対化されているということである。その絶対性はその世界観の内部(視点の範囲内)から見ると「客観的」であるように見える。

昨今は中国の人々の間でも「日本」のイメージはやや向上しているようだが、それも容易に変わってしまう移ろいやすいものであることを銘記すべきであろう。むしろ、イメージ形成における変わりにくいコアとなる「歴史問題」があるだけに、持続的にプラスイメージを喚起する必要があるし、つまらない右翼の言動で中国の世論を刺激することは厳に慎むべきだというのが私見である。

(もっとも、中国にせよ日本にせよ、もう少し緻密な思考が遍く行き渡り、「国」を単位として粗雑なイメージ形成をし、そのイメージを実体化する本質主義的な見方が払拭されさえすれば、このようなことで憂いを表明する必要もないのだが、それはあまりにも「強い個人」を仮定することになるものであり、社会及び政策について考えていく上では妥当ではなかろう。)



日本が戦後標榜してきた「民主主義」、「国際協調主義」、「平和主義」と答えた人は少数にとどまっています。(p.38)


中国の人々から見た日本社会の政治思想の流れは何かという質問に対するコメントである。

「民主主義」は中国の政府にとって受け入れられないものであるから、中国の国内で広く宣伝されることはないだろうし、「国際協調主義」は、日本国内では日本政府はこのように振舞っていると報道されるが、実際はかなりタカ派的な外交をしてきているからあまり当てはまらないとも言える。

ただ、「平和主義」は曲がりなりにも標榜しているのだし、実際に武力行使からはできるだけ距離をおこうとするスタンスは続けているのだから、もう少し中国でも知られて良いと私は思う。ただ、中国での「日本」のイメージは「戦前のまま止まっている」要素があるので、それと直接的に抵触するイメージが広がらなかったことは起こるべくして起こったこととも言えるし、国交がなかった頃に定まったものだから、知られにくいというのもあっただろう。いずれにせよ、日本の政治理念としての平和主義を前面に打ち出し、そのイメージを国際的に定着させていくことは今後の課題と言えるだろう。(それ以前に内実を伴わなければならないが…。)

なお、私から見てこの質問に関して興味をもったのは、中国の人々は中国の体制をどのようなものと考えているのかということであった。



スポンサーサイト

テーマ:読書メモ - ジャンル:本・雑誌

この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
→http://zarathustra.blog55.fc2.com/tb.php/359-4ef66bb3
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)