アヴェスターにはこう書いている?
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ニュースなるほど塾 編 『いま誰もが気になる中国の大疑問 政治経済から外交軍事、市民生活まで』

 というように、中国はすさまじく広大な国土をもつ国だ。ただ、“人間が住める”土地となると、かなり限られている。・・・(中略)・・・。
 じっさい、中国約13億1500万人の人口の大半は、黄河や長江などの大河流地域と、海岸地域に集中している。中国の実質的な「人口密度」は、日本とそう変わらないのだ。
 そんな実情のところに、近年中国の西部や北部では、深刻な乾燥化がすすんでいる。人の住めない大地がどんどん広がっているのだ。にもかかわらず、人口は増える一方なので、中国はますます「狭い国」になりつつある。(p.20-22)


これはあまりクローズアップされることがない事実であるように思われる。

中国は面積が広大で人口も多いので、核兵器での戦争となった場合、他の国よりも有利な立場になると私は考えているのだが、この認識を付け加えると、その優位性はやや下方修正されることになる。ただ、100万都市が全土に分散しているという事実に変わりはなく、その意味では核攻撃に強いという大枠は変わらない。



 そもそも、中国のマスコミは、「報道」のためのものではなく、共産党=政府の方針を知らせるための「広報」機関だったわけで、現在もその性格を残している。(p.63)


この性格が今後、どのように変容していくのか、興味深いところである。



 日本の100円ショップやスーパーの衣料品の生産地表示を見ると、いまや大半が中国製である。野菜などの生鮮食料品や冷凍食品、加工食品にも中国産は多い。そこから、中国の産業というと、農業や軽工業が中心というイメージを抱いている人もいるだろう。
 ところが、近年、中国で大きく伸びているのは、自動車や鉄鋼といった重工業と家電メーカーであり、さらに近年では、IT産業を代表とする知識集約産業も成長著しい。(p.140)


確かに、日本にいると中国製というと軽工業などの産品ばかりが目に付くので、そういうイメージはある。ただ、最近、日本でもしばしば報道されているように、軽工業などは中国よりもさらに人件費が安い地域に移動しているという話と整合的である。

重工業などがすでに大きく伸びているというのは、かつての日本の状態と似通っている。60年代の日本に近い状態というイメージだろうか?



 近年では、農業用地の工業用地への転換をめぐって、それを強行する市や省政府と、農民の間の衝突事件が各地で起きている。農民にしてみれば、土地を強引に転用されるのは、職業を奪われることに等しい。農地を工業用地として収用するさいには、補償金が出るのだが、その金額をめぐってもめることが多く、暴動も起きている。(p.160-161)


現代中国を理解する上で農民について理解することの重要性がしばしば説かれる。私としてはまだあまり手をつけていない部分なので、今後調べていきたい。ただ、中国の農民が「格差社会」の中で悲惨な境遇にあり、そこから、中国は酷いところだ、とか、中国の経済や政治が今後は順調には行かない、というような短絡的な議論には懐疑的である。

それらは農民をクローズアップすることで見えてくることだろうが、農民だけを見ても中国の現状は理解出来ないからだ。世界システムの中に中国の社会を位置づけ、そのなかで農民がどのような地位を占めているのか、都市住民についてはどうなのか?といったところをトータルに分析することが必要であろう。



 中国が優遇政策をとっているのは、現在の中国が、華僑から大きな恩恵を受けているからである。
 そもそも、中国革命の指導者・孫文も、若いころはハワイに住み、アメリカの教育を受けた一種の華僑である。また、彼は、清朝を倒すため、華僑のネットワークを利用した。世界中を歩き、華僑を集めて講演を行っては、寄附を募り、債券の購入を依頼したのだ。それが、革命の大きな資金源となったので、孫文は華僑のことを「革命の母」と呼んだ。
 それから時間が流れ、中国が改革開放路線をとり始めたとき、その政策に最初に応じたのも華僑たちだった。(p.178-179)


これもまた世界システムレベルで捉えなければ中国の社会を理解するには足りないということの一つの事例だろう。中国に限ったことではないが、国(国境や「国民」)を単位にして考えると見えなくなってしまうことはあまりに多い。社会を認識するには、ナショナリズムや強く価値負荷されたレッテルは基本的に邪魔になると考えるべきであろう。



 中国の現行の戸籍制度は、1958~63年にかけてつくられた。毛沢東のすすめた大躍進政策の失敗によって、大量の餓死者を出し、その深刻な情勢のもとで考案された制度だ。
 ・・・(中略)・・・。
 国民の大半を占める農民は、そのまま農業にしばりつけて、食糧確保に励ませる。そして、農民が豊かさを求めて都市へ流れ込むような事態は、法律で厳格に防ごうとしたのである。(p.188-189)


中国の戸籍が都市と農村で異なっており、農村住民にとって不利であることはしばしば指摘されるが、こうした経緯によって形成されてきたものだとは知らなかった。それは弊害も出てくるというものだ。

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