アヴェスターにはこう書いている?
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大山典宏 『生活保護vsワーキングプア 若者に広がる貧困』(その4)

わかりやすさを優先する報道のなかでは、「まだ自分で努力する余地がありそうな若者たちが、生活保護から排除されている」という、わかりにくい構造を解き明かそうとはしません。結果、現場と報道との間にギャップが生じ、双方の溝はますます深くなっていきます。(p.201)


この分野でもやはりマスコミ(世論)が求める「わかりやすさ」が弊害となっている面がある。せめて「分かりやすく」報道しているマスコミは、それらが過度に単純化したものであることを自他に対して明示して報道してもらいたいものだ。これはWertfreiheitが要請することであり、これこそ「客観的な」報道として必要な最低限の「知的誠実性」であろう。



 私が考える生活保護が目指すべき目標とは次のようなものです。

「より多くの利用者に、より高い質の自立を提供すること」(p.203)


本書の著者の具体的な提言に対して、私は必ずしも賛成しないが、この目標の定式化には賛同できる。



 保護の適正実施を第一命題とする運用では、ケースワーカーの仕事は、どうしても不適正な生活保護費の支給を行わないようにチェックすることが中心になります。しかし、自立を支援することが第一命題となれば、ケースワーカーは、これまでの不正受給調査官ではいられません。利用者の自立支援を行うには、利用者とケースワーカーの間に信頼関係が成立することが最低条件となります。「この人は私の自立を応援しようと、精一杯の努力をしている。私もそれに応えるためにがんばろう」と利用者が考えなければ、どのような支援も空回りすることになります。(p.212)


ケースワーカーの仕事は、実際に両方の側面を持つためにこうした両面のあり方のバランスが難しい。例えば、信頼関係を構築しようとしても、不適正な受給が見つけてしまえば、それを追求しなければならないのである。

ただ、ケースワーカーの心の持ち方として、「不正受給調査官」になることは相対的に容易であり、利用者と信頼関係を構築することは相対的に難しいことを考えれば、不適正な支給を防止することと利用者の自立支援という両方の側面を持たざるを得ないケースワーカーの心得としては、後者を強調することには意味があるだろう。



 生活保護を利用しながら精神病院に入院すると、一人当たり毎月40万円ほどの医療扶助が必要となります。一方、アパートなどの居宅生活に移行することができれば、毎月の生活保護費の支出は15万円程度にまで抑えることができます。その経済的効果は、一人の利用者を経済的に自立させるよりもずっと大きいのです。(p.234-235)


医療扶助費が生活保護費の50%以上になっているという事実は、こうしたものの積み重ねから来ているものと思われる。

現場のケースワーカーにとってはこれは実感のない数字らしいから、それを実感させるような仕組みを組み込むことは必要だろう。

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