アヴェスターにはこう書いている?
本を読んでいて気になったことなどを徒然なるままにメモしておくブログ。書評というより「読書メモ」。
プロフィール

ツァラトゥストラ

Author:ツァラトゥストラ
「ツァラトゥストラはこう言っている?」の姉妹編。日々読んでいる本から気になった箇所をピックアップして自由にコメントするブログ。

FC2ブログランキング

FC2ブログランキング

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

新藤宗幸 『新版 行政ってなんだろう』(その1)

 官僚制(bureaucracy)ということばが、ヨーロッパ諸国で使われるようになるのは十八世紀末以降であり、それほど古いことばではありません。(p.44)


官僚制という言葉が使われるようになったことは、フランス革命によって支配階層が変化していわゆる近代官僚制を整備する必要が生じたり、啓蒙専制君主がその家産官僚制を強化していった時代の状況を反映していると思われる。すなわち、中央集権的な「国民国家」が成立していくプロセスの中で、統治の機構として不可欠なものとして官僚制化が進行したという事態を反映しているのではなかろうか。



 政治はつねに、私たちの雇い人たちの集団作業である行政を、統制していかなくてはなりません。それは強調してもしすぎることはないのです。けれども同時に、行政の機構、仕事の処理方法や手続き、仕事の公開と市民による統治のしくみなどについて点検し、行政国家の問題を克服した新たな行政のシステムを設計することが必要となります。そこに、政治を学ぶのとは相対的に区別された、行政を学ぶ意義があるといえるでしょう。(p.53)


行政学を学ぶことの意義。私の考えでは、こうした「行政の機構、仕事の処理方法や手続き、仕事の公開と市民による統治のしくみ」を知ることは、望ましい政策のあり方を考える際に重要な知識であると考える。実施の方法まで考えられるからである。



 しかも、閣議で議論が交わされることはありません。ニュースなどでいう閣議での議論というのは、閣議後の閣僚懇談会でのものです。閣議では閣僚は粛々と「花押」といわれる書判(草書体で書いた署名をくずしたもの)を、閣議決定文書に記載していくだけです。そして、この閣議決定案件は閣議の前日(定例閣議は火曜日と金曜日)に開催される事務次官会議で調整されたものです。事務次官会議は、高級官僚OBである内閣官房副長官(事務)を主宰者として、各省の事務次官から構成されています。事務次官会議にはなんらの法的な根拠もありません。慣例として設けられてきましたが、ここで全員一致した案件が、閣議に送られるのです。ここにもまた「所轄の原則」がおよんでいます。そればかりか、後にまた考えますが、官僚機構の影響力の大きさがうかがわれます。(p.71)


このように見ると、事務次官会議はけしからん、という話になる。実際、本書でも著者は事務次官という職自体を廃止するべきだとまで言っている。しかし、敢えて言えば、そうした極端な意見は「民主主義」というイデオロギーの原理主義的な適用ではないか。「民主原理主義」とでも呼んでみようか。

民主主義というイデオロギーが重要なものであることは私も否定しないが、すべてがこのタテマエの下で進まなければ、それは非民主的であり否定されるべきだという短絡は有害だと言える。そのような二項対立の単純な世界観は現実と齟齬をきたして当たり前なのであり、その単純な世界観と一致しないものを排除するという発想は健全なものとは思えない。

スポンサーサイト

テーマ:読書メモ - ジャンル:本・雑誌

この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
→http://zarathustra.blog55.fc2.com/tb.php/321-3ddb534b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)