アヴェスターにはこう書いている?
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全大阪生活と健康を守る会連合会 編 『この国に生まれてよかったか 生活保護利用者438人 命の叫び』

 日本では全国最低賃金制が確立されておらず、「最低生活保障基準」を示すものは保護基準でしかありません。従って、生活保護基準が引き下げられることは「健康で文化的な最低生活水準」が引き下げられることであり、賃金、年金などあらゆる所得の低下につながる恐れがあります。(p.210)


本書の別の箇所でも指摘されているのだが、実際に、生活保護の基準が各種の公共料金等の減免措置や児童手当など他の福祉政策の水準のバロメーターとなっている面がある。その意味で、生活保護の基準は極めて重要な意味を持つ指標である。



 政府は、被保護人員が142万5900人(1.2%)になったと大騒ぎしていますが、この数字は欧米諸国と比較してもかなり低い数字です。2002年の社会扶助の国民費比率(日本の生活保護にあたるもの)は、スウェーデン4.85%、フランス5.49%、ドイツ8.8%、アメリカ1.78%です。(p.242)


日本の福祉の水準が低いことはよく知られた事実だが、それを充実させるためには税や社会保障負担を増やさなければならないことについては、ほとんど取り上げられることはない。本書でもそうした主張はまず聞かれない。税や社会保障費を増やすことこそ、福祉の充実にとって必要条件であることが認識されなければならないと私は考える。(どのような形で、どの程度増やすかは、どの程度の保障を行うかによって決まる。)そのために、日本では義務教育だけでなく大人に対しても租税教育が必要だということを、ここ数ヶ月、特に強く感じるようになった。租税や社会保障費の意義について、まともな理解がなされていないため、一面的で重箱の隅をつつくことしか知らないマスコミ報道にいとも簡単に流されてしまっている。



 これもヨーロッパの比較で見てみると、事業主(公的事業を含む)が負担する税と社会保障負担が、各国の国民所得のなかで占める割合は「(2000年度)日本が12.3%(1990年14.2%)に対して、イギリスは16.0%(1990年15.3%)、ドイツは17.7%(1990年15.7%)、フランスは23.6%(1990年23.0%)」(新日本出版社発行 社会保障総合研究センター編 『福祉国家に立ち向かう』187ページより)です。1990年と比較して企業負担が減っているのは日本だけです。この間、「国際競争力に打ち勝つ」ことを理由に44.3%だった法人税を1999年には30%に引き下げ、12%だった法人事業税率も9.6%に引き下げられています。75%だった所得税の最高税率(1974年まで)も1999年には37%まで引き下げられています。(p.243)


90年代に政治と財界の関係が変わったことが端的に現れている。一言で言うと、政界と財界の一体化が進んだ。最近少し変化が見られるが、この政治と財界の関係を変えない限り、「福祉政府」を樹立することは不可能だろう。



 1960年代後半に大阪府と大阪市は、大生連が要望して生活保護の夏と冬の一時金という独自施策を制度化しました(しかし2005年に大阪府・大阪市とも一時金を廃止)。この一時金は大生連との交渉で毎年引き上げられてきましたが、90年に入ってから引き上げはなくなり、逆に90年代中ば(ママ)からは引き下げられました。その理由は「財政難」と「自治体の独自施策の廃止」です。(p.247-248)


自治体が財政難になれば、こうした「独自施策」が廃止されることになる。それは(少し前にメインブログにも書いたが)福祉の分野に多いから、当然、福祉の縮小になる。これを防ぐ最も基本的な考え方は、地方交付税の充実である。その分、中央政府の歳出は増えるが、その財源を増税でまかなうことである。

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