アヴェスターにはこう書いている?
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木全和巳 『私たちはソーシャルワーカーです 社会的な相談・支援の実践をつくる』

社会福祉分野においては、「すべての国民が社会保障の心、すなわち自立と社会連帯の考えを強くもつこと」が強調された1995年の社会保障制度審議会の「勧告」を画期として、「日本型福祉国家」の解体をもたらしつつ、進行しています。(p.26)


日本における新自由主義的政策による福祉の破壊は、80年代の「増税なき財政再建」の頃から始まったと私は見るが、90年代に入りそれが完全に政府の中枢にまで浸透したことの認識根拠の一つをこの言説は提示していると思われる。

なお、「増税なき財政再建」というキャッチフレーズは現在の政府は使っていないが、むしろ世論がそれを求めているということは何とも皮肉なことである。もともと「小さな政府」であった日本政府はこの路線によって「小さすぎる政府」になり、行政の機能不全として顕在化し、そのために行政から給付が受けられる実感が人々の間に共有できないために、実際には人々の税の支払いは少ないのに「重税感」だけが共有されているという状態になっているのが現在の日本の状況である。そうした状況では、税の支払いをしないですむ方向に進めれば進めるほど、行政の機能不全はさらに悪化し、人々の生活状況の改善からは遠のくのに、それに気づかずに目先のガソリンの値段などで騒いでいる世論のおかしさに気づいている人の少なさに懸念せざるを得ない。

財政赤字の原因について言えば、「無駄遣い」とか「公務員の給与が高すぎる」ということではなく、むしろ、税金が安すぎることが財政赤字の原因だというほうが遥かに実態に即しているのだが、愚かな世論はそのことからは目をそらしたくて必死になっている(集団ヒステリー状態に近い?)ように思われる。

(当然、これだけが原因ではない。というのは、これは歳入側の主たる要因であって、このほかに歳出の決定構造――歳出自体の構造というより歳出の決定構造というほうが適切であり、「無駄遣い」と言われるもののある部分は、このことが「表面に現れている現象」に過ぎないから、「無駄遣い」を、それを出現させる構造に触れずに問題視する理解は底が浅すぎる――にも同程度の大きな原因があるからである。いずれにせよ、税や財政に関して世論として流布している言説には、ほとんど適切なものはない、ということだけは確かである。)

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