アヴェスターにはこう書いている?
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山本直治 『実は悲惨な公務員』(その4)

 このように前例主義は行政の行動を制約し、問題も多いのです。しかしながら、行政施策の継続性・公平性を維持したいという行政の意志の表れでもあります。前例主義の打破というのは、ある意味「最初の特別扱い(線引き)」を認めることです。(p.158)


こうした継続性や公平性といった基本的な価値や意義について、熱しやすく冷めやすい上に物事を熟慮することがない世論は思いを馳せることができない。そうした部分を抜きにして副作用だけを見て、原則を全否定しようとする議論が多いから要注意である。

前例主義とは別の事例では、予算の単年度主義に対して、「予算の使い切り」を迫るから不合理だという非難をする人がいる。確かにそうした副作用はあるが、そのような非難をする人(素人)が、単年度主義がなぜ導入されているのかということを考えることはまずない。知っていながら言わないというのではなく、なぜそのような考え方になっているのかを知らずに話している人も多い。そのような人間に財政や税を語る資格はないというのが、私がそうした人々に言いたいことである。



 お役所でも民間企業でも、何か悪いことが報じられたときに、私たちはついつい、怒りの矛先として「わかりやすいところ」である、現在の担当部局(担当者)を攻撃しがちです。たしかに、事件・事故の直接の被害者であれば気持ちは理解できます。しかし、原因が何年も前にさかのぼるような問題について、ともすれば実質的責任のない(少ない)現在の担当者ばかりを叩きすぎることは、責任追及のあり方として妥当なのでしょうか。
 もしかすると、そうした責任追及のあり方が、実はお役所に限らず多くの組織の不祥事隠蔽体質を強め、お役所、企業、ひいては日本全体への痛手を大きくする原因になってはいないでしょうか。相次ぐ食品偽装問題が、その証左です。(p.161)


本書の考え方をよく示している箇所であり、同意見である。

例えば、次の箇所などもそうした考え方を示している。

 ところで、公務員への責任追及論のなかでは、「民間企業なら事業に穴を開けたらよくて左遷、最悪ならクビだ。お役人もそういうふうにしろ」などという声が聞こえることもあります。ここでは公務員には身分保障があるから……というタテマエは置いておき、本当に公務員に失策の責任を取らせようとしたらどうなるかを考えてみましょう。
 そこで間違いなく出てくる結論は、失敗するくらいなら何もしないほうがいい――つまり、「事なかれ主義」に陥った行政の姿です。(p.169-170)


これくらいは当たり前のことなのだが、感情的に公務員や行政を非難する人々はこのあたりまでさえ想像する力がないらしい。そうした想像力がかけている人は社会的な問題についておおっぴらに語るべきではない。語るだけの資格がないから、勝手に内心で思うだけにしておけ、と言っておこう。その方が世の中のためになるから。

こうした傾向は政治家にも当てはまらないことはないが、政治家はそもそも票あっての政治家だから、何もしないということはない。何もしないということが彼にとってマイナスになるからだ。そう言うと、じゃあ官僚も投票して選べばという考えが出てくるかもしれないが、行政はその安定的な持続性が重要なので政治家と同じように官僚を選ぶことは不適切である。

それに、「民間では失敗したら即、左遷・クビ」というのも嘘だし、実際にそれをどんどんやっている企業はうまくいかないだろう。それは所属する個人が「失敗から学ぶ」ということができない組織であることを意味するからである。

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