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アヴェスターにはこう書いている?
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フランソワーズ・ベック&エレーヌ・シュー 『ケルト文明とローマ帝国 ガリア戦記の舞台』
「3つのガリア」とナルボネンシスは、帝国内の位置づけだけでなく、文化的にも大きな違いがあった。「3つのガリア」よりも70年も前にローマに征服され、それ以前も地中海文明にたえず接してきたナルボネンシスは、ローマの慣習に適応してすでに久しかったからである。(p.21)

「3つのガリア」とは「長髪のガリア」と呼ばれていたガリア北部の地域で、ローマ帝国治下でルグドゥネンシス、アクイタニア、ベルギカの3州に分けられた。ナルボネンシスは、以前にはガリア・トランサルピナ(アルプスのかなたのガリア)と呼ばれていたが、紀元前27年にアウグストゥスによって改名された。

つまり、ガリアの北部と南部は文化的に大きな違いがあったということである。地中海世界とその外側の世界との違いとして私はこれを捉えている。


 輸出入の際、商品には価格の40分の1の税金がかけられたが、農産物や工芸品の売買を阻害することはなかったようである。ガリアは小麦でローマとローマ軍を養っていただけではなく、豚肉加工品やガチョウやワインでもローマの美食家たちを喜ばせていた。また、ブリタニア(イギリス)やゲルマニア(ドイツ)には、青銅やガラスの食器類、七宝をほどこしたフィグラ(ブローチ)が輸出された。しかしもっとも広く普及したのは、ガリアの南部や中部でつくられた印章模様のある陶器である。
 一方、ガリアには、建物を豪華に飾りたてるためにギリシアやアジアから美しい大理石が、金属加工を行うための材料としてスペインやブリタニアから鉛や錫が輸入された。また、ワイン好きの裕福なガロ=ローマ人は、遠くイタリアやギリシアから銘酒をとりよせていた。
 スペイン南部のバエティカからはオリーブ油が輸入され、ガリア全土ばかりではなくブリタニアまで広まっていった。ワインと同じくオリーブ油は、大きな利益を生む商品としてもてはやされていた。(p.99-100)

このリストは不完全ではあるが、ガリアは半周辺的な位置にあったと読める。つまり、ローマやオリエントのような地中海世界の地域に対しては劣位(食料供給地であり、大理石のような高価な原料を輸入せざるをえない立場)にあるが、ブリタニアやゲルマニアのようなアルプス以北の地域に対しては優位(原料を輸入して製品を輸出する)にある。イベリア半島との関係は本書の記述だけからはよくわからない。オリーブ油を輸入してさらに東へと流通させる中継点だったと見るべきか?

なお、本書が対象としている主な時代は紀元前1世紀後半から紀元後2世紀頃までである。
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至福のとき

 読書人の誰もがそうであるように、私にとっても本屋に行ったり本を探したりレビューを読んだり書評を書いたりするのがなによりの至福のときである。 結婚する前は実家に住んで 無秩序と混沌の趣味がモロバレ書評集【2006/06/10 17:30】