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アヴェスターにはこう書いている?
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香山リカ 『テレビの罠――コイズミ現象を読みとく』(その2)

多くの人は、「セレブ」と自分とのあいだには、もはや自助努力ではどうにもならないほどの格差があることを実感しているからこそ、やっかむことも反発を覚えることもやめてしまったのだ。
・・・(中略)・・・
彼らが欲しかったのは、「セレブ候補」たちが与えてくれる「ほら、私を肯定すれば、あなたも私たちと同じ勝ち組の一員ですよ」という錯覚や幻想だったのだ。
・・・(中略)・・・
 いくら「セレブ」を間近で見たからといって、ローンも残っている小さなマンションに住み、明日の失業や倒産の不安に怯える自分たちの日常に変化が生まれるわけではない。しかし、たとえ一瞬でも、“セレブオーラ”を浴びて、「私だって本当は勝ち組よ」という幻想に浸らなければ毎日を乗り切っていけないほど格差が広がり、“格下”にいる人たちは逼迫した状況にあることを、「セレブ候補の躍進」は示しているのではないだろうか。(p.55-56)


「格差」というより「格差感」の増大が、こうした心理をある程度もたらしたのは確かだろう。その意味ではこの主張は妥当である。

しかし、昨年の選挙における自民党の大勝は、「セレブ」自身以上に「小泉純一郎」との一体化願望が強かったのではないか。もしそうであれば、小泉が首相から退陣した後には、多少の情勢変化が起こることはありうる。

つまり、基本的な傾向としてはこうした方向になってしまっているのは確かだと思うが、セレブ支持はそれほど確固としたものではないため、事態の流動性を考慮して戦略を練る余地がある、というのが私見。

「好ましいイメージ」の小泉首相に対して、マスコミがそれ以上、踏み込んだ報道をしようとしなかったのも、今回の選挙の特徴だった。藤田はその例として、靖国参拝問題などの質問に「適切に対処します」と“答えにならない答え”を繰り返す首相に、記者団から次の質問が出る気配がないことをあげている。
 どうして、記者団は首相に厳しく突っ込まないのか。・・・(中略)・・・
 報道の中立性を保とうとすればするほど、それは批判精神から遠いものとなり、結果的に自民党が吐き出す大量の情報――「郵政民営化」「激戦区」「刺客」「くの一」など――をそのまま伝えるだけになってしまった。マスコミが目指した“客観的”が結果としては小泉自民党にとっての“主観的”であっただけであり、マスコミが最初から意図的に自民党の片棒をかつごうとしたわけではない、というのだ。
 つまり、「マスコミ操作は意識的だったか、無意識的だったか」という先ほどの問いに照らし合わせて考えると、小泉首相や自民党は十分に意識的であり、無意識的であったのはむしろマスコミ側だったということになる。(p.72-73、強調は引用者)


これはマスコミの現場の人間にとってはジレンマとなる状況だろう。

 2005年2月に、地方を中心に「郵政民営化ってそうだったんだ通信」という折込チラシが1500万部配布されたのだが、その制作発注先のスリード社というのが、竹中大臣の親しい知人が経営する社員わずか2名の小さな会社だったことがわかったのだ。
 ・・・(中略)・・・
 その企画書は、今も中村てつじ前衆議院議員のホームページで公開されている。「郵政民営化・合意形成コミュニケーション戦略(案)」というA4版15ページほどの書類だ。国会の委員会では、竹中大臣がフライヤー作成にあたり知人の会社に便宜を計らい、そのキックバックを受け取ったのではないか、ということがもっぱら論議の焦点となったが、実は本質的な問題はこの企画書の内容のほうにある。(p.98、リンクは引用者)


竹中平蔵ってのは、本当にチンケな男だな。毎年1月1日には外国に住んでいることにして、わざわざ住民票を外国に移して住民税を脱税したりしていたこととも通じるチンケさ。これは竹中の考え方である新自由主義にも実は通じている。この理論では、目先の利益を追求し、長期的な視野を持たないのが市場原理に則って動くプレイヤーとして想定されているが、その近視眼ぶりと同じなのだ。いうなれば、人間性が思想に現れているのだろう。

選挙戦でも最初から、「むずかしいことはよくわからないが、とにかくテレビはよく見て小泉首相にも好感を持っている人たち」が、ターゲットにされていたとしてもおかしくない。(p.100)


来年の参院選は特に自民党がこのあたりについてどう出るか、要注意だ。マスメディアの関係者がこのあたりに対してある程度自覚的に対処してくれることを望みたいものである。
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