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アヴェスターにはこう書いている?
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池上正治 『中国紀州の旅』

この一帯には、地名にある種の特徴がある。天龍(ティエンロン)や龍青(ロンチン)などのように「龍」の字が多いこと、蔡官屯や劉官屯のように「屯」の字が多いことである。
 ・・・(中略)・・・。「これはラオハン族…。」「エッ!」と聞きかえしてしまった。
 中国には56の民族がある。これは常識というものである。・・・(中略)・・・。しかし、「ラオハン」族という名称はこれまで聞いたことがなかった。
 こちらの不思議そうな表情から察したのであろうか、楊さんはニヤリとして、「いや、少数民族ではありません。エッーと、何といえばいいか、明代に南京(当時の金陵)からここに移り住んだ人たちです」。・・・(中略)・・・。明朝は乞食僧から身をたてた朱元璋によって建てられたわけであるが、北方を本拠地として元朝を倒したとはいえ、朱元璋は新しい王朝の足もとを固めるために、半強制的に移民を行ったという。屯田兵といったところであろうか、地図に屯のつく地名の多い理由がわかる。


この旅行記が発行されたのは98年のことだが、旅行自体は91年のものであり、今よりも情報が流通していなかったことがわかる。今では老漢族(ラオハン族)のことは、ガイドブックにも載っているからだ。

ただ、こうした地名と歴史のつながりをなどを見つけていくのは、ある意味では旅の醍醐味ともいえる。



 季節による滝の変化は見ごたえのあるものだ、というのが旅游管理の立場にある楊さんの主張である。今回のように雨期の終りにあたり、しかも数日間も降りつづいた後の滝を「気は山岳を撼わす」と表現するそうだ。絶妙な表現であり、まったく同感である。冬から春にかけての乾期であったり、しばらく好天のつづいた後であれば、黄果樹の滝は四本に割れ、その様子は「銀の絹を軽く垂れた」ようであるという。(p.36)


貴州省の安順の西にある黄果樹瀑布というアジア最大の滝についての記述。私は今回は冬に訪問する予定だから、どうやら「銀の絹を軽く垂れた」滝を見ることができそうだ。冬に滝を見て面白いものかどうか微妙に不安があったのだが、それなりに期待できそうだ。



好人不当兵(ハオレンプータンピン)」である。中国の長い間の慣例では、立派な人間(好人・ハオレン)は兵隊になるはずがなかったのである。逆にいえば、兵隊すなわち悪人であったのである。これがいくたびもの戦乱を経験した草々の民が得た教訓だったのである。実はこれには上の句がある。「好鉄不当釘(ハオティエプータンティン)」、釘にするのはクズ鉄というほどの意味である。上下の句を中国語で発音すると、ゴロも合っている。(p.175)


民衆は常に戦争では被害者として巻き込まれる。自ら始めるわけではないのだから。それゆえこうした思想はどこにでもある。今の中国は、軍事的なものを肯定的に捉える価値観が中国国内でも流通しているように私には見えたが、どんな人々であれ、そうした考え方一色に染まるということはありえない。一色に染まらないためにも、こうした言葉の存在は重要なのではないだろうか。機会があったら、この言葉を知っているか中国の人に試しに尋ねてみたいと思う。
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