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アヴェスターにはこう書いている?
本を読んでいて気になったことなどを徒然なるままにメモしておくブログ。書評というより「読書メモ」。
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香山リカ 『テレビの罠――コイズミ現象を読みとく』
本書はテレビでおなじみの精神科医・香山リカのメディア論である。「小泉劇場」などと言われた、2005年9月11日の衆院選で自民党圧勝という事態に至った「現代日本の政治状況」をマスメディア、特にテレビの果たした役割に着目して分析している。

本書の主張の核心は、私見では次の点にある。

テレビの番組作成者たちが「視聴者のために」という良心的な動機に基づいて番組を作ろうとすればするほど、それが結果的に時の権力者たちを喜ばすものとイコールになってしまう。というのは、現代は固定的な「権力対大衆」の構図は消失しており、「視聴者」は、ある時には「権力を批判する側」であるが、しかし、またある時には「権力」と一体化しているからである。

ここでポイントとなるのは、どこにも諸悪の根源たる「主体」がないが、社会システムとしては翼賛的に作動して(しまって)いる、ということである。そこにこそ、この問題の解決の難しさがある。

本書では、その十分な解決策は示されていないように思う。しかし、マスメディアが上記のようなあり方に対して自覚的になり「人々が見たいもの」を追うのではなく(かつてのアメリカや現代でも韓国にそうした人々がいた/いるように)「真実を語るのがテレビの役割であり、それがひいては人々や国のためになる」と信じるテレビマン(p.204)がメディアのあり方を変えていくことが期待されているように思う。

(私には、この期待は「大衆が変わるべきだ」とか「権力者が変わるべきだ」と期待するのと比べれば、可能性があるように思われる。金子勝の言葉を借りれば「強い個人の仮定」である度合いが低いから。政治家や大衆よりはテレビマンは知的水準も相対的に高く、批判的であることを役割上、求められもするのだから。)

いずれにせよ、特定の「主体」がない状況で、社会システムの作動の連鎖の結果として「小泉劇場」を現出させたという見方は、私としては非常に参考になった。
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テーマ:読書メモ - ジャンル:本・雑誌

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