FC2ブログ
アヴェスターにはこう書いている?
本を読んでいて気になったことなどを徒然なるままにメモしておくブログ。書評というより「読書メモ」。
プロフィール

ツァラトゥストラ

Author:ツァラトゥストラ
「ツァラトゥストラはこう言っている?」の姉妹編。日々読んでいる本から気になった箇所をピックアップして自由にコメントするブログ。

FC2ブログランキング

FC2ブログランキング

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

田岡俊次 『2時間でわかる 図解 日本を囲む軍事力の構図 北朝鮮、中国、その脅威の実態。アメリカの軍事覇権の将来は?』(その5)

 在日米陸軍のうち、戦闘部隊は沖縄の特殊部隊一個大隊約300人だけで、他のほとんどは情報や補給要員だ。「グリーン・ベレー」として知られる特殊部隊は沖縄を守るためにいるのではなく、有事の際に敵前線の背後に落下傘などで潜入して情報収集や破壊活動を行うのが任務で、待機・訓練場所として沖縄を使っている。また第三章で述べたように、アメリカの情報機関NSAは青森の三沢基地や沖縄の楚辺・トリイなどに受信局をもち、2000人以上の米軍人が勤務している。この勤務者を含め在日米陸軍の情報要員は約500人とみられる。
 沖縄の海兵隊は「第三海兵遠征軍」の名が示す通り、防御兵力ではなく、上陸作戦を行なう部隊で、米海軍第七艦隊(横須賀と佐世保が主要基地)の担当区域である西太平洋・インド洋全域に出動するために、沖縄を待機・訓練場所としている。米議会では80年代、「日本がアメリカの保護にタダ乗りしている」との批判が強く、81年9月21日の米上院歳出委員会でも、「沖縄に海兵隊を置いて守る必要があるのか」との質問も出たが、カールーチ国防次官が「沖縄の海兵隊は日本防衛のために配備しているのではありません」として、西太平洋・インド洋全域へ派遣するために沖縄に待機させていることを説明している。これは正確な答弁だ。(p.245-246)


在日米軍は日本の防衛のためにいるのではない。このことはよく知っておく必要がある。非常に誤解が多い点である。親米保守の立場から、ネオコン的な政策の正当性を訴えるときに、この誤解が利用されることが多いが(例えば、アメリカに守ってもらっているから逆らえないとか、アメリカに守ってもらうだけでは片務的だから改憲が必要だとか)、彼らの主張には根拠がないのである。




 これだけ異常に手厚い待遇を受けながら、アメリカ人の間には、「アメリカは日本を守る義務があるのに、日本はアメリカが攻撃されても助ける義務がない。日米安保条約は片務的でけしからん」という声が出る。日本人の中にもオウム返しに「片務性」を言う親米派が少なくない。
 しかし、これは基本的に間違った非難だ。第一に在日米軍は、在韓米軍や冷戦時代の在独米軍が、駐留する国を守ってきたのと違い、日本を守る部隊を置いていない。日本の基地は他国への出撃拠点、補給基地なのだ。第二に、基地の提供に関しては日本が片務的に義務を負っている。第三に、他国にほとんど例のない巨額の補助金を交付している。もしもアメリカが攻撃された場合、日本がアメリカを助ける義務を負い、それで双務的、と言うならば、基地の提供も双務的にしなければなるまい。ハワイのパールハーバーやカリフォルニアのサン・ディエゴの海軍基地を海上自衛隊の管理下に置き、その維持費をアメリカが支出することにしなければ、外交の原則である「相互主義」にならない。もちろんアメリカはそんなことを望まない。(p.256-257)


基地の提供に関しても、筆者の言うことは正論である。



 通常戦力の分野では、日本が米軍に防衛を依存しているところはほとんどないとはいえ、核抑止に関しては、少なくとも名目上はアメリカに全面的に依存している。・・・(中略)・・・。特に北朝鮮のように、アメリカに届く核ミサイルをもたない相手に対しては、アメリカはほぼ確実に報復するだろう。核を使わなくても、航空攻撃など通常戦力でも相手は壊滅する。核対策に関しては、「日本は核武装しない」、その代わり「どこかの国が核を日本に使えば、アメリカは報復する」という、まず対等な取引関係が存在すると言えるだろう。(p.257)



この点も誤解されがちだ。日本側からしか見ない場合、「日本が核武装しない」ことがアメリカにとってメリットがあるという発想にならないからだ。アメリカ側から見れば、日本のような「隣国」が核武装することは非常に都合が悪いことなのだ。そこを理解することが必要である。
スポンサーサイト

テーマ:読書メモ - ジャンル:本・雑誌

この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
→http://zarathustra.blog55.fc2.com/tb.php/230-11d74a3b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)