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アヴェスターにはこう書いている?
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田岡俊次 『2時間でわかる 図解 日本を囲む軍事力の構図 北朝鮮、中国、その脅威の実態。アメリカの軍事覇権の将来は?』(その4)

 日本も現在の防衛力整備計画(2001~05年)で、「ヘリコプター搭載護衛艦」という名目で軽空母(基準排水量1万3500トン)の建造計画を進めている。満載の場合1万8000トン程度となるはずで、イギリスのインビンシブル級の軽空母に近く、第二次大戦中の空母「蒼龍」と同等だ。垂直離着陸戦闘機・攻撃機とヘリ計20機近くは搭載可能だろう。日本は54隻、世界第二の水上艦部隊をもっているが、空母をもたず、米海軍の有能な助手でしかない。そこで海上自衛隊には、自立の象徴として軽空母をもちたいという願いがある。だが、軽空母をどこでどう使うか、説明がつきにくいため、「ヘリ四機搭載」などと言っている。本当にそうなら、ひどく効率の悪い艦ということになる。(p.190-191)


自立の象徴というが、そうやって増強した軍備は結局、米軍の援助のために使われるのだから、自立にはならないだろう。政治家や官僚がアメリカから自立しない限り、自立は不可能である。逆に、日本が軍備を増強すればするほど、アメリカにとって使い勝手の良い道具になっていくのであり、ますますアメリカへの従属が強まる。このことに気付くべきだろう。



 NSAの情報収集活動の対象は、もともとソ連と共産圏だったが、冷戦後の90年4月、当時のウェブスターCIA長官は「日本やヨーロッパ諸国など経済上の競争相手に対する情報戦略を扱う企画調整局を設けた」と述べ、情報機関がアメリカ経済に貢献することをアピールした。92年4月には、当時のゲーツCIA長官が「業務の約四割、予算の三分の二を経済分野にあてる」と演説した。その後、NSAとイギリス・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド五ヶ国による盗聴網「エシュロン」が、ドイツ・フランスなど非英語圏の通信を盗聴し、経済競争に利用している疑いが強まり、EU(ヨーロッパ連合)が調査に乗り出した。2000年にEUは、その疑いを証明する専門家グループの報告書を受理している。
 日本の通信も、特に国際電話はほとんど盗聴されていると考えなければならない。エシュロンは、同時に六百万回線を傍受できると言われているのだ。(p.206-207)



アメリカは自国の覇権を維持するために、なりふり構わぬようになっている。本書の立場は、アメリカの派遣は強固であるという立場だが、私はアメリカの覇権は既に衰退過程に入っており、こうしたなりふり構わぬ動きは、そのことの兆候であると考える。




 青森県の米空軍三沢基地は、イギリスのメン・ウィズ・ヒル基地、ドイツのバド・アイブリング基地などとならぶエシュロンの拠点の一つだ。基地内の「セキュリティー・ヒル」という一角には、衛星追尾用のアンテナを収めた直径15~30メートルの球形のドーム、通称「ゴルフボール」(209ページ)が白いキノコのように17基も並んでいる。冷戦終了後にかえって増えていることは、経済情報活動の活発化を示しているようだ。三沢にはNSA、米陸海空軍・海兵隊の通信情報要員が計1500~1600人いて、沖縄も含めると、日本にいる米軍の通信情報関係者は2000人以上と考えられる。
 95年6月、当時の橋本龍太郎通産相がジュネーブでミッキー・カンター米通商代表と自動車問題で交渉した際、CIAが橋本氏と通産省や自動車会社との電話を盗聴し、アメリカ側が交渉に成功した(実際は日本がアメリカの要求を拒否)とロサンゼルス・タイムズが報道したことがある。次いでニューヨーク・タイムズは「盗聴したのはNSAで、CIAはそれを要約して届けただけ」という趣旨の記事を載せた。手柄争いでそれぞれがリークしているようだ。
 日本政府はアメリカに事実の確認を照会したが、回答を拒否された。否定しないのはスパイ行為を認めたも同然で、日本は少なくとも通信情報部隊要員2000人分の「思いやり予算」を削減する姿勢を示すべきだったろう。日本政府は在日米軍経費の70%以上を負担し、それには傍受施設の光熱費や日本人基地従業員の給与も全額含まれている。(p.208)


日本政府は、自国の経済情報を盗聴している組織を養っている(支援している)わけだ。全く馬鹿げている。




 また、「テロは絶対悪だ」とアメリカ人が言うと、多くの日本人もついそのように考えるが、アメリカも自国に有利なテロ集団を「自由の戦士」(フリーダム・ファイターズ)と呼んで半ば公然と支援していることは、日本でもさほど注目を集めない。
 たとえばアメリカはフセイン政権を倒すため、イラク領内のクルド人の反乱やフセイン政権権力者の暗殺などの活動を支援してきた。「イラク解放法」という法律をつくり、予算もつけているから公然たるテロ支援だ。ところがトルコ領内にも同じクルド人が1200万人ほどいて、一部は独立を求める武力闘争をしていた。その指導者、トルコのクルド労働党党首オジャランは98年2月にケニアのナイロビで逮捕されトルコに送還されたが、その逮捕にアメリカ、イスラエルの情報機関が協力したと言われている。アメリカは同盟国のトルコで活動するクルド人は「テロリスト」、イラクで活動するクルド人は「自由の戦士」と呼ぶ。国境付近のクルド人戦士はどちらなのだろう。
 アメリカのテロリストの定義は実に単純明快で、アメリカの敵となるのが「テロリスト」、そうでないのは「レジスタンス」や「自由の戦士」だ。客観的にみれば、ソ連なき後、アメリカは世界一の「テロリスト」あるいは「自由の戦士」支援国だろうが、他国の政府がアメリカの自己中心的な定義を素直に受け入れているのは驚くべきことだ。これもアメリカのメディアのイメージ形成力の強さを示している。(p.217-218)


メディアの力もそうだろうが、アメリカの政府が世界中の各国の政府にかける各種の(顕在的および潜在的な)圧力がその背景にあるのだろう。

ただ、私としては、親米的な連中には、このことについてどう考えるのか、問い詰めたいとは思っている。
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テーマ:読書メモ - ジャンル:本・雑誌

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