FC2ブログ
アヴェスターにはこう書いている?
本を読んでいて気になったことなどを徒然なるままにメモしておくブログ。書評というより「読書メモ」。
プロフィール

ツァラトゥストラ

Author:ツァラトゥストラ
「ツァラトゥストラはこう言っている?」の姉妹編。日々読んでいる本から気になった箇所をピックアップして自由にコメントするブログ。

FC2ブログランキング

FC2ブログランキング

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

田岡俊次 『2時間でわかる 図解 日本を囲む軍事力の構図 北朝鮮、中国、その脅威の実態。アメリカの軍事覇権の将来は?』(その3)

 また、日本の海上保安庁は1000トン以上の大型巡視船だけで42隻をもち、アメリカの沿岸警備隊の44隻に次ぐ世界第二の水上警備部隊だ。ヨーロッパ諸国では、海上保安庁と似た性格をもつ陸上の国境警備隊は準軍隊とみなして、国防費に含めて比較するのが一般的だが、日本ではその予算は国土交通省の予算に含まれる。このような巨大な水上警備部隊をもつのはアメリカと日本だけで、海上保安庁は、大西洋・太平洋の両岸を守るアメリカの沿岸警備隊に比べて密度は高い。イギリス海軍は32隻の駆逐艦・フリゲートだけで日本の海上保安庁の機能もはたしている。(p.128)


隠された軍事力(防衛力)ないし軍事費が日本にはあるわけだ。




 中国の中央政府の歳入はGDPの7.2%(税収6.8%、税収外0.4%。1999年)で、他国に比べてきわめて低い。日本政府の歳入のGDP比は20.4%、アメリカは21.2%、ヨーロッパ諸国は30~40%台になる(131ページ)。GDPに占める政府の歳入の率は、その国がどれほど社会主義に近いかを示すものと言えるだろうが、中国は主要国の中でもっとも社会主義化していないという奇妙な形になっている。(p.129)


これは地方政府と社会保障基金まで含めて比較するのが妥当なのだが、中国はこうした基準で見た場合、「社会主義的」でないのは、確かだと思われる。

ここ数年の携帯電話産業などの様子を見ても、中国と日本を比べると面白いことが観察できる。日本の携帯電話産業は世界最先端の技術を持つが、計画経済的に生産されているのに対して、それより遅れた中国の携帯電話産業は極めて市場経済的であり競争的な環境にあることがわかっている。ステレオタイプ的に「社会主義」とか「資本主義」とか「市場経済」といった言葉を特定の「国」に対して当てはめることの愚かさをよく示す事例である。こうした用語を用いる場合には、その概念をある程度彫琢した上で、事実を比較しながら観察し、その概念がどの程度当てはまるか、説明する力があるかを示した後で使うべきなのである。

なお、恐らくこの産業の比較については、近日中にこのブログに関連記事をアップすることになるだろう。




 ところが、79年2月にイランでホメイニ師が指導するイスラム革命が起き、隣国のアフガニスタンにも波及した。社会主義政権に反感をもつイスラム・ゲリラが29州のうち21州を支配し、首都カブールを包囲するような状況になった。放っておけばアフガニスタンがイランに続くイスラム共和国となる恐れがあり、隣接する自国領内のウズベキスタン、タジキスタン、トルクメニスタンへの波及を阻止するため、ソ連はアフガニスタンに介入した。
 結局、88年5月にソ連軍はアフガニスタン撤退を開始し、70年代からソ連の経済停滞が表面化して西側諸国に差をつけられ、国民の自由が制約されていても、第二次世界大戦の戦勝の威光によって国民の信用をつないでいたソ連共産党政権は瓦解した。
 東欧の解放やソ連の自由化は、ペレストロイカを進めたゴルバチョフ元ソ連大統領の功績として、彼の人気はアメリカでは高いが、むしろ第一の功績者は、ソ連の軍事的威信を失墜させたアフガニスタンのイスラム・ゲリラや、その蜂起をもたらしたイラン・イスラム革命の指導者ホメイニ師と言えるだろう。ゴルバチョフは就任直後にはアフガニスタンで大攻勢に出て、問題を軍事力で解決しようとしたが、それが失敗に終わったため撤退を決め、その後東欧、国内でもずるずると妥協を重ねざるをえなかったのだ。(p.170)


アメリカや日本などでのゴルバチョフ人気は、事実認識という次元よりはイデオロギー的なものであろう。自分達が依拠するイデオロギーから見て共感しやすかったため、好意的に評価した。旧ソ連などで人気がないのは、より生活に密着したところで「被害」を受けたからだ。

また、イラン・イスラーム革命は、極めて大きな事件であった。イランを知らずして世界の動向を把握することはできないと私は考えるが、そのことを示す事例の一つだといえる。実際、この後もイラン・イラク戦争、湾岸戦争、パレスチナ問題、イラク戦争など、どれをとってもイランと無関係では済まないのだ。もちろん、アメリカ合衆国もだが。
スポンサーサイト

テーマ:読書メモ - ジャンル:本・雑誌

この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
→http://zarathustra.blog55.fc2.com/tb.php/228-660149a1
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)