アヴェスターにはこう書いている?
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『世界』2007年11月号(その1)
国正武重 「崩壊の危機が始まった自民党」より

小泉、安倍両政権下の2001年から2007年までの生活負担増は総額8兆8000億円(消費税率換算で3%)といわれ、家庭の台所を直撃した。(p.74)



このことは銘記すべきである。




石黒一憲 「グローバリゼーションに対抗するための法的視座」より

 私は、グローバリズムとかグローバライゼイションといった言葉を、好まない。それが、市場原理万能や経済効率偏重の新古典派経済学「的」な装いの下に、その実、諸国との関係での米国の強烈な国益願望(外向きの米国の顔)を“隠蔽”するための、人々の錯覚をうまく利用した、曖昧かつ戦略的な言葉だからである。(p.100)



確かにその通りかもしれない。しかし、否定的なニュアンスをこめて使われる新自由主義(ネオリベラリズム)という言葉でさえ、「効率性」や「競争」といった点に焦点化されるために、アメリカの存在を隠してしまうことがあり、その意味で、グローバリズムと同列ということになりそうだ。いずれにしても、こうした隠蔽作用には注意が必要だ。

同様の指摘はやはりこの論考でも行われている。

 市場原理万能主義のバックにある新古典派経済学は、資源“配分”の効率性ばかりを強調し、“分配”の問題について、多くを語らない。それゆえ、すべてが「米国への富の“再分配”工作」で動いているという、いわゆるグローバリズムの実態が、都合よく隠蔽されがちとなる。そこを直視し、突き破ることが、グローバリズムに対抗するための経済社会の在り方を考える上での、基本的な前提となるはずである。(p.104)






西谷修 「市場経済というフィクション 持続可能な生存の場から競争のアリーナへ」より

共産主義国家の「民主化」と謳われたこの出来事を通して起こったのは、実は政治的「民主化」というより、政治体制の崩壊のさなかでの国家資産の「民営化」だったといってよい。いや、態よく「民営化」と訳される“privatization”をもっと直截に訳すなら、社会的資産総体の「私物化」といったほうがよいだろう。(p.106)



privatizationの訳語の当て方は確かに使えそうだ。「民営化」が「私物化」であることを明示することは、私的な所有者が現れることを隠蔽する「民営化」という言葉の弊害を取り除けるだろう。

東側世界の崩壊が政治的なもの帰結より経済的な帰結をもたらしたものだという点も重要である。もともと東側世界というのは概ね、世界システムの半周辺に相当するのであり、冷戦崩壊時にもその地位は変わらなかったのだから、デモクラシーが十分に機能する条件はあまり揃っていないと考えるべきである。システムの外部からの干渉があるところでは、デモクラシーは機能・形成しにくいのである。




雨宮処凛 「ロストジェネレーションの仕組まれた生きづらさ 「95年ショック」と強要される「自分探し」」より

この国の経済が力を失った時、それまでタブーとされてきた政治と宗教がにわかに輝き始めた。経済成長の時代に生きた親世代が忌み嫌うものにしか私たちを受け止めてくれるものはない気がした。
 だって、学校で教えられてきたことは全部嘘だったのだ。・・・(中略)・・・。だからこそ、「学校では教えてくれない」靖国史観はすんなりと私の心に浸透した。教育に裏切られた者達が、「隠された歴史」でその傷を癒した。・・・(中略)・・・
 どこにも属さないフリーターだった私は、だからこそ「国家」という共同体に一瞬で帰属できた。不安定で貧乏だった私は、自分についてせめて幸福だと思えることが「先進国である日本に生まれた」ことくらいしかなかった。(p.134)



95年はオウム真理教の地下鉄サリン事件があった年である。雨宮はそのオウム信者たちを見て、羨ましいと思ったという。彼らが「生きる意味」を持っているから。。。右翼団体に彼女が心を引かれたのも同じである。

これは雨宮と「概ね」同世代である私にとっても実感としてわかる。引用した箇所以外でも、当時の時代精神のようなものはひしひしと伝わってきたし、私の知の遍歴は、実存主義から始まるのだが、それもこうした時代の雰囲気を反映していたのだということをはっきり自覚できた。
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