ゴアがつくりあげたもの、それを手短に言えば、組織のどこかで生まれた新たな発想なり、情報なりが速やかに行き渡る――個人から個人へ、あるいはグループの一部からグループ全体へと一気に伝わる――のを容易にする機構だということにつきる。それが150の法則を採用することの利点だ。そうすることで互いに結ばれた記憶や仲間うちのプレッシャーをうまく利用できるわけだ。 ・・・(中略)・・・ 会社を一体化させるために――社の特殊な方針を従業員全体に行き渡らせるために――ゴアではむしろ、なかば独立した小さな部分に分割する必要に迫られた。これは感染のパラドックスだ。感染的な運動を生み出すには、まず最初に小さな運動体をたくさんつくらなければならない場合が往々にしてあるということだ。(p.257-258、本文ではゴシック体の部分をブログでは強調。)
150の法則とは、大体150人までのグループであれば、「規範なしでも同じ目標を達成することができる」(p.244)という経験則(本書では脳の情報処理能力の限界によっても基礎付けようとしているが)である。集団が、この規模より小さければ、集団としてのまとまりを維持できるが、これより大きくなると、共同で作業する機会が少なくなり、互いに疎遠になり、緊密な仲間意識が薄れていく、という。
そして、本書によれば、このような集団の規模も、大きな変化を引き起こす微妙な状況因子の一つだというわけだ。
AbEndや自Endなどの運動に関わるブロガーの人数も調べてみたいものだ。もしかしたら、150を超えたら別のTBPを作ってもいいっていう意味になるかもしれない。。。
つまるところティッピング・ポイントとは、わたしたち人間には変革への潜在能力と知的活動の力があることを、あらためて確認することにほかならない。あなたの周囲の世界を眺めてほしい。それは向上する余地のない、がんじがらめの場所に見えるかもしれない。だが、そうではない。ちょっと正しい場所を押してやれば、傾くのだ。(p.346-347、本文ではゴシック体の部分をブログでは強調。)
本書の締めくくりの言葉である。「正しい場所を押してやれば、傾く」というメッセージは非常に重みがある。「ティッピング・ポイント」というのは、希望を与えうる言葉であるわけだ。
テーマ:読書メモ - ジャンル:本・雑誌
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