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アヴェスターにはこう書いている?
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豊下楢彦 『集団的自衛権とは何か』(その4)

 さて、マッカーサーは、占領を円滑に遂行するうえで昭和天皇の「権威」を利用するために、天皇制の維持に執念を燃やした訳であった。しかし、天皇制を残すことについて国際社会の了解を取りつけるためには、日本の非武装が不可欠の前提となった。この意味で、憲法九条と一条は“ワンセット”として位置づけられたのである。しかし実は軍事的なレベルで見ると、マッカーサーにあっては日本の非武装は沖縄の米軍支配と表裏の関係にあった。例えば、憲法施行から一ヵ月後の1947年6月、マッカーサーは外国人記者に対し、「沖縄諸島は、我々の天然の国境である」「沖縄に米国の空軍を置くことは日本にとって重大な意義があり、明らかに日本の安全に対する保障となろう」と述べた。さらに翌年二月、来日したワシントンの要人達に対し、沖縄を要塞化すれば「日本の本土に軍隊を維持することなく、外部の侵略に対し日本の安全性を確保することができる」と主張して、彼らの日本再軍備論を批判したのである(古関彰一『「平和国家」日本の再検討』)。

 その後、日本は再軍備の道を歩むことになったが、マッカーサー発言に鮮明に示されているように、実は憲法九条は沖縄の犠牲のうえに成り立ってきたのである。同じく、安保体制が、在日米軍基地の75%近くを、狭い沖縄に押し付けて維持されてきたことも周知のところである。すでに見たように安倍首相は安保体制について、米軍は日本を守るために「血を流す」のに、日本は米国のために「血を流す」体制になっていないと「片務性」を強調するが、こうした認識は、沖縄の歴史と現実を捨象したうえに成り立っている、と断ぜざるを得ない。(p.225-226)

日本の非武装・憲法九条と沖縄との深い関係については、本書によって目を開かされた思いがする。


 さらに沖縄は、新たな安全保障の枠組みを形成していくための前提をなす、北東アジアの信頼醸成を促していく上で、最もふさわしい拠点となり得るであろう。歴史認識問題や教科書問題がたえず軋轢を生み出している状況において、沖縄が歩んできた独自の歴史は、それらの問題を克服していくうえで沖縄に重要な役割を与えるはずなのである。なぜなら、沖縄の歴史は、朝鮮半島や中国のそれと重なり合う体験を経ているからである。(p.230)

大変興味深い指摘だ。


 そもそも、あれこれの国を「仮想敵」と設定して軍拡競争で勝ち抜こうという発想それ自体が、「テロの時代」以前の発想なのである。(p.235)

一理ある。そして、「敵の敵は友」という考え方も、この発想の一類型に過ぎない。
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