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アヴェスターにはこう書いている?
本を読んでいて気になったことなどを徒然なるままにメモしておくブログ。書評というより「読書メモ」。
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「ツァラトゥストラはこう言っている?」の姉妹編。日々読んでいる本から気になった箇所をピックアップして自由にコメントするブログ。

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軍司泰司『シラクのフランス』

「当たり前のことだが、軍は宿命的に暴力と死を背負う。装備をハイテク化し、標的をコード化することで生身の切なさから遠ざかろうとしても、戦争の実相を隠し通すことは適わない。スマートな言葉と酸鼻な現実との落差が、滑稽なほど広がった世界だ。ただ、将校や兵士たちはそのことに疑問を差し挟むことはない。異論はご法度、「問答無用」がまかり通る。軍を取材していると私はしばしばその幼児性、幼稚さにハッとすることがある。
・・・(中略)・・・
 たとえ国益が掛かっているとしても、核兵器の保持が国際政治の舞台で影響力の源泉になっていたとしても、現場を見ると分かってしまうことがある。はっきり言おう。そう、ここでは何かが決定的に馬鹿げている。」(p.32、強調は引用者)


こうした経験は軍に限らず、通常の組織の中でも体験することがある。しかし、軍隊というものはその「馬鹿げている」度合いが別格なのだろうと想像できる。


「FNの幹部たちにはその後も取材する機会が何度かあったが、いつも感じるのは「自分たちは選ばれた存在だ」という根拠のない矜持である。根拠があるのかもしれないが、普遍性はない。基本的には滑稽である。訳のわからぬ自信と使命感のグロテスクな肥大化が、この人々の特徴であり、主張を聞いていると常に薄気味悪さを感じた。
 だが、FNの論理に多くの失業者が吸い寄せられた事情は理解できた。
 FNの政策は一種の短絡である。だが、たとえば失業や貧困などの切羽詰った事情から、社会の中で疎外感を味わい、自分に誇りを抱けず、何ら前向きのことを考えられない人々が、「あなたは移民たちとは違う。フランス人だ。誇りを抱いていいのだ」とささやかれたら、FNの他に選択肢はないと思うかもしれない。FN支持者の胸のうちほど、フランス社会のゆがみを正確に投影した鏡はなかった。逆説的に言えば、FNはフランス社会の反面教師であり、政治の空白の在りかを指し示していた。」(p.141-142)


この叙述はまさに現在の日本の右傾化した状況に当てはまる。

右翼の政策は一種の短絡である。だが、たとえば失業や貧困などの切羽詰った事情から、社会の中で疎外感を味わい、自分に誇りを抱けず、何ら前向きのことを考えられない人々が、「あなたは中国人たちとは違う。日本人だ。誇りを抱いていいのだ」とささやかれたら、右翼の他に選択肢はないと思うかもしれない。」


といった具合だ。

ネット右翼のブログなどを見ていて、やたらと「誇り」なんてことを言ってみたり、「『反日』に反対する」のような排外主義的な論調などはまさにこれである。
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右翼的言説について

以前、右翼とか左翼という言葉を安易に用いることについて批判的な意見を書いたことがある。今回はそれを一歩推し進めて、これらの用語を「戦略的な見地から」利用可能な形で暫定的に定義しておこうと思う。ある種の言説には「権力」や「国家」と発話者自身を同一視する傾向 ツァラトゥストラはこう言っている?【2006/03/02 23:06】