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アヴェスターにはこう書いている?
本を読んでいて気になったことなどを徒然なるままにメモしておくブログ。書評というより「読書メモ」。
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鈴木哲夫 『政党が操る選挙報道』(その8)

 そこで、今後テレビメディアは、権力のコミ戦とどう向き合うべきか。そして、政治報道をどう変えていくべきか。
 私なりの結論は次の通りである。

 まずは、政治報道を、少しでもいわゆるネガティブ報道に変えていくことだ。
 それは、政治家を褒めない。その政治家の政策的弱点や政治家としての資質を批判することに力点を置くのである。
 与野党を問わない。小泉であっても、安倍であっても、与党も、野党も、まず政治的な欠点を批判するのだ。
 実はこれもまた平等であり公平なのである。選挙報道のときのように、悪口は書かない、いいところを挙げる、の逆であり、みんなを同等に批判することもまた、平等なのだ。
 だが、批判は常に腰を据えたものでなければならない。記者側にも政策的な矛盾を衝き、政治家を批判するための徹底した勉強は必要である。そして、批判に対応する能力と説明責任を持った政治家は、逆に世論が認めることになる。
 これによって、おそらく政治取材には一挙に緊張感が生まれる。しかもコミ戦にとっては強敵である。
 本来コミ戦はPRであり、メディアはそれに一切乗らず、逆に批判報道に終始する。コミ戦は、防戦に回る。そして批判に応える政策論争や政治家の資質を上げていくことを迫られる。コミ戦とメディアが正面から向き合う戦いになるのではないか。
 ジャーナリズムとは、本来そういう立ち位置であるべきものではないか。(p.247-248)



本書の結論部分からの引用である。もう少し続くのだが途中で切った。

政党が組織的に仕掛けてくるコミ戦に対して、メディアがどのように応戦するべきか、という視点に立って書かれた本書の主題からすれば、非常に論理的な解答だと言える。

対応策としては非常に妥当な内容を備えていると思う。

実際にメディアがこのような報道をしてくれれば、視聴者としては非常に有益だとも思う。

しかし、記者クラブのような制度があったり、政治や行政によるメディアへの規制が強められつつある現状において、こうしたスタンスは非常にとり難いだろうと思われる。また、政治報道もスポンサーに財界がついている以上、財界と一体となっている政治を批判に終始するやり方で取り上げるのは難しいだろう。それに一つの番組や局だけでネガティブ報道をしても意味はなく、それでは政党や政治家は少しでも自分たちを好意的に取り上げてくれるメディアにしか出演しない、なんてことにもなりかねない。

このように完全に実現するにはかなりの困難が伴う提案ではある。

しかし、この結論を、一つの理念型として捉えるならば、これを基準として報道のあり方を考察・批判することに利用できる。つまり、ここで示された解答を年頭においておくことによって、例えば、ある番組の政治の扱い方が「批判のない翼賛報道だ」とか「政治家の資質を不問に付した『好感度パフォーマンス』のための報道になっている」ということを析出しやすくなるわけだ。

さらに、これを理念型として捉える場合の活用法としては、「この解決策の実現を妨げる要因は何か」を析出する際にも利用できるだろうし、もちろん、他にも活用法はあるだろう。


また、マスメディアではなくブログのようなしがらみのない媒体でならば、ここで示されたような「報道」は可能であり、参考になる考え方だといえるだろう。もちろん、テレビなどのマスメディアでも、やって欲しいし、そこでこそ最大の効果を発揮するやり方なのだが。
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