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アヴェスターにはこう書いている?
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鈴木哲夫 『政党が操る選挙報道』(その7)

 安倍内閣の特徴の一つに、官邸機能強化・官邸主導を実現するために、五人の専門補佐官を配した他、世代交代を目指した若いスタッフを取り込んでいることがある。官房長官の塩崎恭久、官房副長官は下村博文、補佐官は小池百合子(国家安全保障担当)、根元匠(経済財政担当)、中山恭子(北朝鮮による拉致問題担当)、山谷えり子(教育再生担当)、そして広報担当の世耕である。
 ところが、このメンバーの連携は、「必ずしもうまくいっていない」(自民党幹部)のが実情だ。それぞれ個々には、安倍と直接深い関係を築いているが、横のつながりは希薄なのである。なぜか……。
 「それぞれがバッジをつけた議員だ。出世欲もあるしいわばライバル同士。一つの案件でも、こうすればいいと、それぞれが違う意見具申を安倍にする。トラブル対応もそうだ。塩崎は官房長官の自分がもっとも安倍さんに近く、自分の意見が一番重用されるべきだと思っているから始末が悪い。安倍さんも混乱するだろう。危機管理は世耕一本に任せるとか、とにかくそのあたりの徹底がなく、結局連携ができていない。本来なら秘書官が指導力を発揮してまとめてもいいのだが」(前出幹部)
 その秘書官の井上義行は、長く安倍に仕えてきたが、旧国鉄から官僚に転身したいわば霞ヶ関ではよそ者。官邸に出入りする実力官僚などへの抑えは利かない。「井上への嫉妬から悪評を意図的に流す官僚も多く、求心力はない」(官邸関係者)と言う。
 それにもまして、現実に安倍政権下では、世耕や自民党のコミ戦メンバーが描い-ていた官邸での理想のコミ戦とは組織的に大きく異なっているのだ。(p.228-229)



ここに記されているに、組織が一体的に機能しないのは、小泉以降に流行し、ある意味では常識になってしまった「競争」を重んじる考え方が、組織にもたらす弊害の典型的な例であろう。「成果主義」を導入して失敗した企業の多くが経験し、路線変更なり方針の修正を余儀なくされた問題と全く同じである。まさに自滅党という感じである。

しかし、安倍政権が沈没するのは私にとっては望ましいことだが、別の自民党政権が成立したときに、再度小泉政権のようにコミ戦が機能するのも警戒すべきだろう。

ヘボなコミュニケーション戦略しかできない安倍政権の間にこそ、マスメディアが政治から距離をとりやすい環境を立て直すチャンスであると思われる。ここで手が打たれなければ、また同じ過ちを繰り返すことになるだろう。




 「最近思うのは、支持率というのは実は単なる好感度じゃないかということ」
 ジャーナリストの二木啓孝は現在の政治の特徴をこう語る。
 「世論調査でも、小泉さんが北朝鮮に行けばすぐ上がる、靖国のときでも、郵政民営化のときもそう。官房長官のころの安倍さんも、北朝鮮がミサイルを打てばすぐ上がる。総理になってからも中国に行けば上がる。要は、テレビに露出して、かっこよくやれば、そのあとの世論調査の支持率はぐっと上がる。北に行った意味は何なのか、靖国とは何なのかといった深い話は関係ない。今小泉さんとか安倍さんがやっていることは、好感が持てるなあ、と。つまり、厳密な支持率ではなくて単なる好感度ではないか」
 まったく同感である。(p.241-242)



まったく同感である。(笑)

一つ前のエントリーで、河野太郎が「メディアがやっているのは政治報道ではなく政局報道」だと喝破したことを引用したが、そのことと、この「支持率の『好感度』化」とは一体であろう。

政策の中身・意味ではなく、ただメディアに「かっこよく」露出すると好感度が上がり、それが「支持率」に直結する。政策について批判・批評する政治報道ではなく、絵になる人間模様や悪玉を叩く善玉の図だけを報道する政局報道になっており、そうした報道だけが氾濫していることが大きな原因であろう。

マスメディアは政治家をテレビに映す場合に、報道の仕方に慎重でなければならないし、視聴者も批判的に映像を見ることが要求される。有権者の側における評価の際の要点は、その政治家や政党の政策がどんな結果をもたらすか、であるべきだろう。


ただ、2007年に入ってからの安倍政権の「支持率」低下は、次々明るみに出てくる閣僚の不祥事とそれへの対応の不適際が「かっこ悪い」というだけでなく、政策の中身のなさや一般の人々が日々感じている問題に対して安倍政権は高いプライオリティを与えていないことが明らかになってきたことが大きいのではないか。その上、善玉対悪玉の絵になる構図が成り立たないためにマスメディアの報道も扇動する効果が出にくいために、有権者=視聴者もある程度冷静に考えることができることも一因と言えよう。

つまり、安倍政権の下がり続ける「支持率」は、単なる「好感度」低下だけでなく、本当の意味での「支持率」低下であるといえる。そのことは4月から5月頃の時点で、「安倍政権での憲法改正」には反対という意見が増えていたことからも言えると思っている。
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テーマ:読書メモ - ジャンル:本・雑誌

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