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アヴェスターにはこう書いている?
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鈴木哲夫 『政党が操る選挙報道』(その3)

実は厳しい選挙こそが、連立政権下では公明党のレゾンデートルをアピールする絶好の機会なのだ。
 「どの選挙区でも公明党の組織票は二万から二万五000ある。勝てば『公明が押し上げた』、負けても『公明はフルに動いたのに自民の支援者は何をやってるんだ!そんなことでは今後選挙協力はしない』と、どちらにしたって自民への圧力になる」(自民党本部選対職員)
 埼玉八区で共同通信が行った出口調査によると、公明支持層の実に九六%が柴山に投票したことが明らかになった。(p.56)



これは2004年4月の統一補選についての記述である。

今回の参院選も公明党の組織票の影響力は大いに効いてくる。実際、選挙区で自民党の候補が当選する場合でも、公明党の票がなければ落選する議員も多いはずだ。その影響力を相対的に低下させるためには投票率が高いほうがいい。この春の地方選や補選でも、逆風が吹いている中で自民が勝ったところの投票率は非常に低いことが多かった。

創価学会という「一部の勢力」が国政をほしいままにするような体制からは一刻も早く脱したいものである。




 特に、テレビの視聴率は、一番組ごとに何%というものだけではなく、なんと番組内で分刻みでどう視聴率が動いているかといった詳細なデータも収集した。(p.73)



現在の政党は、これほどまでに詳細なデータを分析し、それを積み上げてメディア戦略を立てているということを「視聴者=有権者」は知っておく必要がある。その概要を知るのに、本書は手軽に入手できる良い本だと思う。




 テレビニュースの特集などでも、コメントで事実誤認があったり、自民党幹部のインタビューが中抜きされて意味の違うニュアンスになっていたりすると、すぐ国会担当の責任者に連絡をとり、コミ戦スタッフが駆けつける。
 キー局の政治部デスクの証言だ。
 「武部さんの演説で、年金に関するくだりの15秒ほどを使ったら、すぐ翌日に世耕さんから電話が入って、会いたいので党本部に来て欲しいという。次の日に、党本部に訪ねて行ったら、『武部さんが言いたかったのはこうこうこういうことです』と、理路整然と説明された。呼ばれたときには、きっと抗議だろうと身構えて行ったが、説明だけだったので拍子抜けした(笑)。ベテランなんかだと、『お前の社は出入り禁止だ』などと言うのに比べて、世耕さんの場合は確かに圧力ではない。しかし、よく見てるなあ、と。それ以降は、インタビューなどどこを使うか多少意識することもあった。また、ウォッチしてるんだろうと思うとつい
 実に細かく報道をチェックし、決して抗議ではなく事実関係を説明するというメディアとの関わりは、このデスクの証言にあるように、自民党の報道に関しては慎重さを生み出す効果が出たのだった。(p.83-84)



自民党のコミ戦の活動の例。

メディアをソフトにコントロールすることによって、先日までの自民党は無理なくメディアに勝利していったように見える。最近の自民党は、テレビCMが誇大広告のようで言葉を変えさせられたり、バカっぽさ丸出しだが。




 「怖いのは反動です。嬉しくて冗談の一つも言いたい気分でしょう。大笑いしたい気分でしょう。でも怖いのは、そうした表情は、大勝した途端自民党は気が緩んだと国民には映ります。ここは引き締めてください。謙虚に謙虚に、責任の重さを痛感していることをアピールしなければダメです。有頂天になっていたら、今日我々に投票してくれた無党派層は、明日から反自民・民主支持に一気に変わってしまいますよ」(p.99-100)



これは2005年の郵政解散で自民党が圧勝したときの世耕からの指示である。この指示は功を奏し、翌日の新聞の見出しはコミ戦(世耕)の意図したとおりの見出しになったという。

こんなところまでイメージ形成をコントロールされているのだから、「視聴者=有権者」や報道するメディアは相当批判的に物事を見なければならないワケだ。




 一日三時間以上テレビを見ている人では、自民党支持者は57%と半分以上。さらに小泉が郵政民営化反対議員に対立候補を立てたことを支持する人は実に72%にものぼった。
 一方、一日のテレビ視聴時間が30分未満では、自民・民主が逆転し、民主党支持が34%、自民党支持が32%。さらに、対立候補を立てたことへの支持は50%に下がってしまうのだった。(p.103)



このあたりはよく知られていることだが、重要なのは自民党など政党がこうしたことを戦略的に行っているという事実である。「B層」はまさにこうした戦略におけるカモなのである。カモに自覚を求めるのは「強い個人」を仮定することになるので、社会政策的には実現可能性が低い。その意味では報道する側の批判的なスタンスが問われることになるだろう。


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テーマ:読書メモ - ジャンル:本・雑誌

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