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アヴェスターにはこう書いている?
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鈴木哲夫 『政党が操る選挙報道』(その2)

 自民党の場合、選挙を表で仕切るのが総裁だが、陰で実質的に仕切るのは幹事長の役目とされる。その下につく総務局長とともに、金銭的支援や人的支援などをコントロールするのだ。逐次手元に届くすべての選挙区の情勢を分析して大物応援を決定したり、選挙資金をつぎ込んだり、自ら企業団体のトップに会って協力を要請するなど絶大な権限が集中する。
 かつて中選挙区時代は、各派閥がそれぞれ候補者を抱え、派閥ごとにカネや応援を投入したが、それでも最終調整は幹事長のもとにあり、派閥の領袖は幹事長に相談するなどその存在は無視できなかった。
 さらに小選挙区制に移行してからは完全な党営選挙になった。各選挙区に一候補、しかも党対党の戦いになり、幹事長は候補者調整から政権公約の決定、選挙資金の配分などますます権力を握ることになった。世耕の言う民間企業の秘書室とは、この幹事長室のことだ。
 一方、本来、日常的に党の外側、つまり有権者や各種団体と接している広報本部は選挙戦でどういった役目を果たすのか。ポスターやテレビコマーシャル、新聞広告などはこちらが受け持つが、独自に予算を持ち独自に考案する。これが世耕の言う宣伝部である。
 だが結局、双方がリンクすることはなく、司令塔の幹事長は自分の選挙を抱えながら全国を飛び回り、党本部には、司令塔不在なのである。(p.29-30)



世耕らのコミュニケーション戦略はこの「司令塔不在」の状況を変えたワケで、それが本書の主題なのだが、私がこの箇所を引用したのは、自民党内部での中央集権化が起きていることが示されているからである。

中選挙区制のもとでは派閥にある程度の権限が分散していたが、小選挙区制になってからは幹事長に巨大な権力が集中している。これは選挙に直接関わる局面以外でも起こっている。「脱派閥」が進めば進むほど、権力は平等に党員や議員に分散するのではなく、逆に、党の幹部に集中する。

まだ詳しく調べていないので断定はできないが、自民党の内部の権力状況は、かつてのソ連や改革開放以前の中国に近くなっているように思われる。

小選挙区制が導入されたことが、その大きな要因となっている。そして、安倍内閣で次々と行われた強行採決も、こうした党幹部への権力集中の賜物であると私は見ている。

過半数をとった与党の中で数名の幹部だけが突出した権力を持てば、与党を思うままに動かすことができ、与党を動かすことができれば野党など無きが如くに振舞えるのだとすれば、それはほとんど独裁といって良いのではないか。それが現実のものとなったのがこの9ヶ月であったと言える。

小選挙区制を変えることがどうしても必要になるのだが――現状で一気にそこまで行くのは無理があるので――、当面は、こうした権力の濫用を抑えるために権力の均衡状態を取り戻す必要がある。そのためには現在の与党(自民党と公明党)から権力を奪うことである。そのためには野党の勢力が相対的に大きくなれば良い。

(こうした二つの勢力の均衡を、小選挙区制という極端な結果が出やすい制度のもとで持続させることは難しく、その意味でこれは暫定的なやり方でしかない。しかし、まずは現状を乗り切らないことにはどうしようもない。)

参院選後は、政界再編などの可能性も十分ある。それを視野に入れた投票行動をとりたいと思う。私のところは2人区なので、二番目に有力と思われる野党候補者に投票しようかと思っている。同時に自民党の候補者のネガティブな情報を流すつもりだ。口コミで。
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