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アヴェスターにはこう書いている?
本を読んでいて気になったことなどを徒然なるままにメモしておくブログ。書評というより「読書メモ」。
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藤井省三 『現代中国文化探検――四つの都市の物語――』
香港

 士丹頓街を直進して必列者士街(ブリッジ)に入ると、赤煉瓦作りのYMCAが建っている。ここでは1927年2月に魯迅が二度の講演を行ったことがある。YMCA手前の階段で、その名も楼梯(ラダー)街を下ると右に文武廟がある。学問の神である文昌帝と、本来は『三国志』でお馴染みの武将だがのちに商売の神となった関羽帝とを祀っており、廟の存在はこの一帯が中国人商人の中心地であったことを意味しているのだ。(p.117)



中華圏には妙に関羽を祀っている廟が多いと思っていたが、このような意味があるとは知らなかった。断片的な知識は多少あるにしても、中国の文化面に関しては、それらを十分に結び付けられるだけの力が私にはまだない。イスラーム世界や欧米に関しては古典とされるものはある程度理解しているつもりだが、インドや中国はゼロではないにしても、これから積み上げるべき課題が多い。

宗教的モニュメントが商業地の中心にあることは、歴史的に見て、ヨーロッパや中東では全く珍しくなく、むしろそれがノーマルな状態なわけだが、中国でも似たようなパターンで捉えられるようだ。中国の場合、関羽を祀った廟はそのひとつの印になるのかもしれない。これからも世界中の様々な都市を巡りたいと思っているが、中華圏ではこの点にも着目してみようと思う。




 バレエの原型は十五世紀末にイタリアの王侯の宴席で挙行された幕間狂言であるといわれ、その後1661年にフランスのルイ十四世が王立舞踏アカデミーを設立して宮廷バレエを創作し、それはロシア帝国に伝わって十九世紀半ばにペテルブルクが世界バレエの中心となっている。バレエの連続する跳躍運動はヨーロッパ牧畜民族の身体行動であり、ポアントで立つ優雅な踊りはヨーロッパ王侯貴族の趣味が洗練されるに伴って考案されたものであろう。香港において市政局によりバレエが特に推奨され、「市民の鑑賞レベルを引き上げる」指標としてバレエが語られるというのは、マクルホース時代に登場する「香港文化」の欧米的体質を如実に物語るものといえよう。(p.138-139)



ヨーロッパのハイカルチャーや王侯貴族の文化の大部分はイタリア経由(「イタリア発」と言いたいところだが、本当にイタリア発というものは多くない。大抵は中東やビザンツから輸入された文化である。)で広まったものだが、バレエもその一つであるらしい。フランス経由でロシアに入っていったという説明は面白い。

それぞれの地域で反映した時期にずれがあるので、本書の説明ほど単純ではないと予想されるが、それでも、フランスはイタリアの文化を大量に輸入し、独自の宮廷文化に仕上げることで、ヨーロッパの宮廷文化をリードしていった。バレエもその中のひとつに位置づけられる、ということなのだろう。
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