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アヴェスターにはこう書いている?
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辛永勝、楊朝景 『老屋顔 台湾レトロ建築案内』

「小口タイル」と「丁掛タイル(ちょうかけタイル)」はいずれも日本統治時代に非常によく使われたタイル。当時の日本人は関東大震災を経験した後、耐震性の高い鉄筋コンクリートの建物を多く建てるようになりましたが、その際、打ちっ放しのコンクリートは美しくないとされ、タイルで装飾するようになりました。最初は赤レンガを模したデザインでしたが、その後さまざまなバリエーションが生まれました。「小口タイル」と「丁掛タイル」の違いは赤レンガのサイズに応じたものです。(p.36)


レンガ造から耐震のため鉄筋コンクリートに変わっても、外観は従来のイメージを踏襲した赤レンガを模したデザインが使われていたという点、そして、そのデザインからの展開としての赤レンガのサイズに応じたタイルの使用という歴史的な筋道が興味深い



台湾各地の伝統的な建築物では、マジョリカタイルが使われていることが多く、特に海沿いの地域で多用されています。かつては日本からの輸入に頼っていたため、港に近い地域で使われることが多かったのです。(p.37)


正しくは輸入ではなく移入だろうが、いずれにせよこうした流通関係の事情が建築素材の地域性にも影響するというのは興味深い。



青田街を含む温州街、永康街、和平東路一段の一帯は日本統治時代には「昭和町」と呼ばれ、昭和初期に開発されたエリア。現地で教鞭を取る教授や教師たちの住宅建設が急務となり、高級住宅地として開発が進みました。(p.43)


永康街などはおしゃれな店などが並ぶ地域としてガイドブックなどにも載っているが、その前史ないし背景としては、こうした高級住宅地としての開発があったのだろう。



「青田七六」は日本式家屋と洋風建築が融合した和洋折衷スタイルで、高温多湿な台湾の風土に合わせて様々な工夫が施されています。直射日光が室内に入りにくいよう縁側は広く、「広縁(ひろえん)」と呼ばれています。大きく飛び出した軒も日光を遮る効果があり、いずれも本来の日本家屋には見られない特徴です。(p.44)


こうした工夫は類型的なものとして他の建築にも同類のものがあるのだろうか、それとも個々の建築で試されているのだろうか?なお、本書では例えば52頁には、縁の下を設けることで建物を腐食しにくくするといった工夫についての記載がある。



当初はアトリエにする予定でしたが、より多くの人たちにこの土地の雰囲気を味わってほしいと考え、茶館にするアイデアが浮かび、「九份茶房」をオープンさせました。(p.61)


ここ数年の台湾のリノベーションブームで飲食店が多いのは、こうすることで多くの人が来て、そこでお金を使ってくれることで建物を使い続けることができるという事情があるからだろう。建築の構造や意匠や内装・外観がどのように保存されるのかが重要だと思うが、飲食店としての利用の場合、これがどの程度保存されるのか。他の方法の場合と比較してどのような特徴があるのか。こうした点に今は興味がある。



台中では日本統治時代の「市区改正」と呼ばれる政策により、碁盤目状の道路が作られました。(p.81)


地図を見る限り、」結構いくつもの格子状の街区が接続しているという印象である。いくつかの小さな町が合わさって一つの街になっていくというプロセスがあったということか?



その後、台湾各地で文化遺産の保護運動が進んだことを背景に、2009年に地元の書店を経営する余国信さんが「洪雅文化協会」を結成し、建物の保存と再生を手がけることになりました。修繕費用を工面するための「バカな株券」と名付けた証券を発行し、志願者に買ってもらいました。(p.111)


政府による保存では民間の小規模建築にまでは(少なくともすぐには)手が回らないことが多いだろう。そういう意味では、公的な支援が始まる前の段階(?)として地域での自発的なクラウドファンディングというのも確かに「あり」だろう。

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