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アヴェスターにはこう書いている?
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藤田賀久 『スタディーツアーガイド1 台湾へ行こう! 見えてくる日本と見えなかった台湾』(その1)

 こうした古い建物に歴史的価値を認めて保存する動きがあります。その旗振り役は台北市文化局であり、2012年に「老房子文化運動」(「老房子」は古い家屋のこと)をはじめました。修復費用の補助や税金負担を軽減し、さらには民間企業と組んでリノベートする試みです。その結果、台北市内では古民家などが美しく蘇り、新たな観光資源となっています。(p.15)


ここ数年、台湾がメディアで紹介される際や各種ガイドブックなどを見ても、このようにリノベーションされた建物を活用した店舗が増えていると感じるし、迪化街なども様変わりしつつあるとも聞いているが、地方政府が旗振り役をしていたとは興味深い。



台北市内には次の2館が二二八事件を取り上げている。いずれも、事件の概要を丁寧に説明している。また、犠牲者の写真と詳細な経歴もあり、多くが日本留学を経験した高学歴エリートであったことに気づく。(p.46)


当時の台湾人から見て、大陸から来た中国人たちの知的レベルの低さが指摘されることがあるが、逆に大陸から来た支配層にとって、自分たち以上に教養を身につけている台湾人の存在は統治するに当たって脅威と感じられたであろう。そうした支配層の保身の感覚と、228事件で高学歴エリートが狙われたことは関係しているであろう。



中国人を観察してあることに気づいた。蒋介石像が緑豊かな公園に美しく陳列されているのを見て、「台湾人は蒋介石を今も敬愛している」と受け止めているようなのである。台湾社会で居場所がなくなったとは思いもよらないのであろう。
 公園の訪問者は中国人観光客だけではなかった。私が見たのは車いすに乗る老人であった。孫娘と公園をゆっくり一周して蒋介石像を静かに眺めていた。聞けば大陸出身の老兵であった。国共内戦を戦い、蒋介石とともに台湾に逃れ、大陸奪還の日を夢見たのである。しかしその日は来なかった。台湾に生まれた孫娘は、もはや大陸を故郷とは思っていないとのことであった。(p.53)


桃園にある両蒋文化園区についての叙述。台湾が民主化したことによって、それ以前の国民党の独裁に対する批判が自由に言えるようになってきた。そうした状況の変化により、かつて台湾中にあった蒋介石の像が急速に姿を消した。この公園はそうした行き場のなくなった蒋介石像を集めて芸術作品として陳列しているという。

大陸の中国人に対する観察から見て取れることは、中国の人々は台湾の歴史を恐らくあまり知らないのだろう、ということである。もし知っていたら、台湾に対する見方は大きく変わるであろう。

もう一点は、外省人の第一世代と孫娘の世代についてである。直接大陸から来た人にとっては、大陸は故郷であり、自らを中国人と思っても不思議はない。しかし、孫娘の代にしてみれば、行ったこともない土地でしかない。アイデンティティも当然、台湾人へと傾くだろう。



 本来は土の中に埋められるべき棺が部屋に安置されているのは、蒋介石が「大陸奪回後に南京の紫金山に埋葬してほしい」と息子の蒋経国に言い遺したからである。つまり、現在は仮置きの状態である。中国人観光客は「蒋介石は中国人だから祖国の土に還りたいのだ」と納得していた。これを聞いた台湾人は「蒋介石は中国人だから台湾の土にはなりたくないのだ」とつぶやいていた。(p.54)


中国人と台湾人の捉え方の違いが興味深い。台湾人の側の論理では、台湾は中国ではないということが含意されていることに留意しておきたい。

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