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アヴェスターにはこう書いている?
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ホブスン 『帝国主義論』(その4)

実質的並びに形式的に民衆政治を確保せよ。さらば国際主義が確保される。階級政治を持続せよ。さらば軍国的帝国主義と国際闘争とが持続される。(下巻p.76)



近年の日本では「格差」が問題とされているが、このことは帝国主義的な言動を増大させ、アメリカを含む近隣諸国から顰蹙を買い、対立的な関係になっていることと無関係ではない。




「帝国主義は狭く卑しいものであるという一般的認識を免れているのはなぜか。」という問いに、これから答えなければならない。各国民は、外部から隣国の帝国主義を見守っている時は欺かれない。政治的及び商業的階級の利己的な利益がその政策の指導上最重要であることが、明らかに見られるのである。そこで他のヨーロッパ諸国民はいずれもイギリス帝国主義の真の輪郭を認識し、盲目を装った偽善であるとして我々を非難する。(下巻p.104)



強調した箇所は重要である。現在の日本のネット上でしばしば見られるウヨク的言説や政治家の同様の言説にも、これは当てはまる。

「日本国内で日本の戦争責任が卑しく非難されるべきものであるという一般的認識を免れているのはなぜか」という問いに、これから答えなければならない。各国民は、外部から隣国の帝国主義を見守っている時は欺かれない。政治的及び商業的階級の利己的な利益がその政策の指導上最重要であることが、明らかに見られるのである。そこで他のアジア諸国民はいずれも日本帝国主義の真の輪郭を認識し、盲目を装った偽善であるとして我々を非難する



嵌りすぎ…。




帝国主義は事実及び力の執拗な誤伝に基づくのであって、その誤伝は主として極めて洗練された選択・誇張及び希釈の過程を通じてなされ、利害関係をもつ徒党及び個人によって指導される結果歴史の外観が歪められるのである。
 帝国主義の最大の危険は、国民の心がこの欺瞞に慣れるに至り、自己批判の出来ない状態に陥ることにある。(下巻p.123)



最近の日本の状況に余りにも嵌りすぎていて空恐ろしくなる。

まさに現在の日本の言論状況はホブスンの指摘したとおりの危険な状態になっているようだ。つまり、自己欺瞞に陥ってしまい、自己批判の出来ない状態に陥っているのである。




競技(スポート)における興味のこの堕落に対応するものは、戦争の実践との関連における国威宣揚主義(ジンゴイズム)である。国威宣揚主義は、いかなる個人的努力、危険、もしくは犠牲による浄化をも経ていない見物人の単なる欲望に過ぎず、同胞たる人間の危険・苦痛及び殺戮を気味よげに眺める。その人々を彼は知らないのであるが、しかも彼は盲目的且つ人為的に刺激された憎悪と復習の感情に燃えて、彼らの絶滅を欲するのである。国威宣揚主義者にあっては、一切のものが冒険的且つ盲目的な争闘の激情に集中されている。骨が折れ疲労の多い行革の単調さ、長い待機の時期、苦しい補給の欠乏、長引く戦闘の怖ろしい倦怠は、彼の想像の中で何の役割をも果たさない。戦争の償いとなる諸要因は、即ち共同の個人的危険が教えるところの立派な戦友意識、訓練及び自制の諸成果、敵の勇気を認めざるを得ずそして敵もまた同じ人間仲間であることを知るに至って敵の人格に対してもつ尊敬――これらすべての実戦における緩和的要素は、国威宣揚主義者の情熱からは除外されている。或る平和の支持者たちが、軍国主義及び戦争の最も有力な抑制は、市民全体に兵役の義務を負わせること及び侵略の体験の二つであると主張するのは、正にこれらの理由からである。
 そのような高価な手段が果たして真に有効であるか、もしくは必要であるかを決定することを、我々は求められていない。しかし国威宣揚主義者の傍観者的欲望が帝国主義の極めて重要な要因であることは全く明瞭である。この大衆的な熱情を培うためには、戦争並びに帝国的膨張の全政策の劇的な粉飾が共に必要なのであって、それは帝国主義的事業の真実の組織者の技術の中小さくない部分を構成している。これらの組織者たる実業家及び政治家の小さいグループは、自分たちの欲しているものが何であるか、またそれを得る方法は何であるかを知っているのである。
 軍事的英雄主義の真実のもしくは見せかけの光輝と帝国建設の雄大な主張とに欺かれて、国威宣揚主義はいかなる愚挙もしくはいかなる犯罪にも転じ得るところの一種の愛国心の中核となっている。(下巻p.127-128)



好戦的な主張ないし、戦争そのものへの拒否感が少ない右寄りの言説には想像力が足りないわけだが、ホブスンのここでの指摘もそれと通じている。

また、帝国主義の原動力となる少数者の利益のために大衆を欺き、その欺瞞によって愚挙・犯罪に通じる愛国心を作り出していく。これが帝国主義を実現して行き、少数の支配的階層の人間はますます利益を得て、大衆から遠い存在となっていく。この構造は現在の日本にも当てはまっている。
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