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アヴェスターにはこう書いている?
本を読んでいて気になったことなどを徒然なるままにメモしておくブログ。書評というより「読書メモ」。
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「ツァラトゥストラはこう言っている?」の姉妹編。日々読んでいる本から気になった箇所をピックアップして自由にコメントするブログ。

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黒川高明 『ガラスの技術史』(その1)

 コアガラス容器をつくるため、溶融ルツボからガラスを巻き取るのに鉄の棒を使用していました。作業しやすくするためとガラスの温度を下げないために、軽い中空のパイプが使われるようになり、これから宙吹きに発展しました。(p.10)


この叙述のおかげで、コアテクニックから吹きガラスの技法が登場する筋道が理解できた。



 ステイニングは、ガラスに着色する意味で、銀または銅の金属イオンをガラス内部に入れ込んで着色する方法です。……(中略)……。黄色を出すシルバーステイニングは、イスラムガラスの色彩を豊かにしました。この技法は中世ヨーロッパのステンドグラス(初期のステンドグラスは黄色のない、青と赤色が主体の単純なものでした)に導入されました。また後の19世紀にシルバーステイニングとカッパーステイニングが、ボヘミアでガラス装飾に盛んに使われました。(p.22-23)


ステンドグラスは美的な観点から見がちだが、技術の側面から見てみるのも意外と面白そうである。



 17世紀になると、国際的な様式を主導してきたヴェネツィアのヨーロッパのガラス工場におよぼす影響力が弱まり、ガラス製作にさまざまな国民的様式が現れるようになりました。(p.31)


技術の流出というか一種の争奪戦のようなものがあったということはしばしば語られるが、国民国家の成立期と時期を同じくしている点は興味深い。



 18世紀から19世紀にかけて化学が発展してガラスの製造に大きな影響を与えました。(p.103)


このひと言からは、元素についての知識、特に化学反応についての知識などが確立してくることと関係が深いことがすぐに思い浮かぶが、それ以上の関係があったらしいことが本書から垣間見える。



しかし帝国の崩壊後北部ヨーロッパと南部ヨーロッパとでは製造法が異なってきました。これは北部での地中海沿岸からのソーダの入手が困難となり、内陸の植物の灰を使用するようになったことから生じました。この南北の違いは窯の形式にまで影響を及ぼしました。南部の窯は円形をしており、北部の窯は長方形をしています。(p.116)


ローマ帝国の崩壊はアルプス以北と地中海世界とを様々な分野において切り分ける(これらの世界を別々のシステムとして分離していく)が、ここにもそれが見られる。



光学の分野で有名な人物は、イブン・アル・ハイサムまたの名アルハゼン(965-1039)です。
 彼はバスラに生まれ、カイロに「知恵の家」を建てたファーティマ朝のカリフのアル・ハーキムの治下においてエジプトで活躍し、カイロで死にました。天文学、数学にも通じ、とくに光学の方面で優れた業績を残しました。この分野はアラビアが科学の世界に貢献した最も重要な学問分野でした。彼は視覚器官としての目の構造をくわしく論じ、ガラス体、角膜、網膜などの西洋名は全て彼の『光学の書』に由来するといいます。(p.153-154)


アラビアの学問はギリシアやローマの伝統を継承し発展させたことは周知のことだが、光学においても貢献は大きかったようだ。何となく、光学というといわゆる科学革命の時代の展開(ニュートンの『光学』とか)が想起されるが、アラビアの学問もかなり重要な発見をしていたと理解しておくことは重要だろう。



近眼用の凹レンズを初めて述べたのは、1450年のクサのニコラウス(1401-64)ですが、16世紀中頃までは一般的な使用には至りませんでした。(p.155)


ニコラウス・クザーヌスと言えば、神学的な哲学やある種の宇宙論(地動説などを含む)を連想してしまうので、近眼用の凹レンズというと意外な感じがした。が、確かに言われてみれば、宇宙についての議論と光についての議論は確かに関係が深そうではある。

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